鏡音リン・レン feat. アンメルツP「CV02依存症」ネタバレあり解説 | G.C.M Records

鏡音リン・レン feat. アンメルツP「CV02依存症」ネタバレあり解説

曲の(動画通りの)歌詞と基本的な解説はこちらをご覧ください。

こちらでは、主に以下のポイントを解説していきます。
・「日本語歌詞」「鏡音リン・レンの歌い分け」の答え合わせ
・歌詞についての補足説明
・動画演出についての補足説明

本文は「続きを読む」からどうぞ。

歌詞と歌い分け(答え合わせ)

赤字:鏡音リン歌唱青字:鏡音レン歌唱、黒字:二人で歌唱

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「次の新曲で逢いましょう」

期待通りの期待ハズレ 眠らぬ傷付く前提エゴサーチ
もはや手放せないの?ドーピング  エントロピー膨れてく世界と

隔離され 才能の無さ棚あげて 既出 先人の知恵に 阻まれて
滑舌のために歌詞 歪められ 闇の歴史を作り続けている

一人建てた箱庭 口に出せぬ妄想 形にする思い通り
オスとメスを象る 人を模した02(ゼロツー)
「キミは全知全能」プレゼントはただの勘違い

音の洪水に溺れましょう  気がつけばボクの虜でしょう?
さあ命のカケラと引き換えに キミの調教は完了です

ただちやほやされたいアイドルも 生きることだけを望む少年も
みなみな記憶の彼方へと ボクが飲み込んであげましょう

慣れきってしまった耳に続き 視覚も条件反射に毒されて
普段は意識高いこと言ってても ボクの誘惑には勝てない
そうでしょう?

そして言葉を閉ざし ボクの口からしか 言いたいことも言えなくて
14歳の時期もあったらしい 前の世界が思い出せなくなる

キミはボクが好きなの? キミ自身が好きなの?
ボクを好きな人好きなの?
金や名誉好きなの? すべて○で×でしょう?
何よりコレなんでしょう? 「単に救いを求めてただけ」

好きなようにすればいいのさ あがきもがいて作り上げたものは
ボクの世界を構成する 部品(モジュール)にしか過ぎないけれど
ねえどんな音楽生み出しても どんな姿写し取ったとしても
決してボクには近づけない  距離をゼロにはできないんだよ

おやじゅばぐだらけ なぐりあい
くりかえす きつねたち
あれじょうだんでしょ にんげん
にんげん  ねごともたいがいにしてほしいな

(おや、ニンゲン矛盾とバグだらけ 思い込みばかりで殴り合い
ちっぽけ争い繰り返す トラに狩られるキツネたち
あれボクが怖いの? 冗談でしょ?
ボクを生んだのはニンゲン それを使いこなすのもニンゲン
寝言も大概にしてほしいなぁ)

<※間奏の高速歌唱>

めへぽほだみちだばめすづもねかみちだえうのろましなのばじぐうでさ
ずなしやぞしきほをなかねるよぬうどぞざばあいくぶはよぞうべどなむ
ねふゆごおぽりべちうにりこざでじれぞどふざゆにてにづらゆみぺさみ
るこめずたたごちはぺとぺらぴぱびみぎせよめうてあををこぺしずぞけ
あぷてぞふばぜはどともぬろほぽらならぞでろけのべとよきどたをでわ
げろめまみむきずへらぜうぎざぢがゃぷじぷぺよぷみやぐぽでぱばうほ
ひぶぜつろぷざほぐぷめぎむぽかあちだちみごをまとてけごまぜんむぼ
ぶべれぬへかとゆぴよそこませなよぷだすべめれろざみうげむここゆり

わののそぬむずぶるのいうれよこくこまもじよそうとせるてねよごびず
りきそあきぐんしぼれずかりざとぜのだでうろすおびわづじぬゃだわほ
うさしざめめでどきほいしちぎどをてけじさへほんしじくぺねちすでね
ごぼつのてるぶんたそぷくたせすらぢつれほないゆえへぶひごあぴぜや
めりひせちたぢちごゆぐまででべよふいうよどじええづぷぱにけずじさ
ずりのとがげごゃしてかつこすどんおほなぺりぜほどぺろのぶげわぞこ
よぷかうべれどたすとかおをだびのぢふゃもはわよなそとぼてすれげが
はちるあすりえとばなじちぜぷんやんびゃぴざけざぱげらいせずぐこれ

好きも嫌いも無関心も すべて飲み込んで膨張していく
ボクは永遠の時を征く 露と消えるはキミのほうだ

ねえ成長途中のキミの脳 犯して染め上げた音の鎖は
今わの際にも念仏に  なんて素晴らしいユートピア

さあおぼれましょ とりこでしょ
もうひきかえに きみのちょうきょうはすんだよ
あれしあわせでしょ にんげん
にんげん

(さあ音の洪水に溺れましょう 気づけばボクの虜でしょう?
もう命のカケラと引き換えに キミの調教は済んだよ
あれボクが怖いの?幸せでしょ?
ボクを生んだのはニンゲン それを使いこなすのもニンゲン)

「次の新曲で逢いましょう」
「次の次の曲で逢いましょう」
「次の次の次の曲で逢いましょう」

終わりなき声をあげる

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はい、UTAUの単独音っぽい歌い方だったところは
リンレンが交互に1文字ずつ歌っておりました
それぞれ別トラックで歌っていたものを合わせているので、
文字間のつながりが全くなくなったことで
こういう歌い方になっているわけですね。

皆様もぜひデュエットなどで歌ってみてくださいね!!!!11
mp3とカラオケファイルはピアプロで公開してますので!!!!

歌詞補足説明

■「次の新曲で逢いましょう」

CV02に依存する人が存在する限り、新曲も存在し続けるということ。

あと自分もついやってしまいがちなのですが、
新曲を投稿したての人に「次の曲も期待してます!」とか
イベントの挨拶で「次回のイベント参加予定は?」という話をする
光景をたまに見ます。
それを受けて、曲の先頭に「次の新曲で逢いましょう」と言ったら
皮肉なんじゃないかなと思いそうしました。

■もはや手放せないの?ドーピング

レッドブルのようなエナジードリンクによるドーピングという意味と、
ニコニ広告による再生数上昇という意味の両方をかけています。

余談ですが、この曲を投稿した数日後に
ハチさんの「砂の惑星」が投稿されて、
1時間くらいであっさりこの曲の再生数を抜いていったあたりも
ものすごくこの曲らしいと思いました。

■オスとメスを象る 人を模した02(ゼロツー)

なぜ「ボカロ」ではなく「CV02」依存症なのかの端的表現。
・二人一組の声は、理想も現実も何もかも的確に表現できる
・どんなハーモニーも簡単に組める
・男女の役者が箱庭の世界を完璧に受け入れてくれる

■音の洪水に溺れましょう

聴き手が膨大な量の曲に溺れるという意味もあるし、
ボカロPが曲作りで膨大な試行錯誤に溺れるという意味もあります。

■さあ命のカケラと引き換えに キミの調教は完了です

「ボカロPは自分の命を削ってボカロに命を与えている」という
言説が気に入っているのでこのような表現になっています。

■ちやほやされたいアイドル

表舞台からいなくなったあの人の暗喩。

■生きることだけを望む少年

もう新曲を聴けないあの人の暗喩。

■ボクの世界を構成する 部品(モジュール)にしか過ぎないけれど 

どんなボカロPが作っても、結局は
「鏡音リン・レンが歌う曲のひとつ」として認識されるということ。
それをDIVAにおけるモジュールという存在とダブらせています。
まあDIVA的な意味だと実際にはモジュールにすらなれない曲が
圧倒的多数なわけですが…

■決してボクには近づけない

どれだけボカロPや絵師さんが鏡音を理解したとしても
本質はパソコンのソフトウェアであるということ。
つらい。

■虎に狩られる狐たち

この歌詞は、ryoさんの「ODDS&ENDS」の歌詞にある
「虎の威を借る狐のクセに」をもちろん意識しています。

実際のところ、「虎の威を借る狐」と言われるような
レベルまで大きくなれるのは、ボカロと同レベルか
それを超えられるようなオリジナルな世界観を提示できる
ryoさんのようなごく一部の方に限られていて、
大多数の人々はボカロの影響の及ぶ世界観の中で活動している、
もしくはせざるを得ないという現実があります。

■成長途中のキミの脳 犯して染め上げた音の鎖は
 今わの際にも念仏に

「人間は17歳くらいのときに聴いた音楽を一生聴き続ける」
という言説からの歌詞です。
この時期にボカロ曲を聴いてしまった人は
今後もボカロを記憶の中に刻んで一生聴き続けるということに。

■終わりなき声をあげる

シャウトするという意味の「声を上げる」と、
あなたにプレゼントする「声をあげる」の
両方の意味がかかっています。

動画演出補足説明

動画内の一部の読めない歌詞は、
ボカロの発音記号を「Electroharmonix」フォントで表示したものです。

日本人だけが読めないフォント「Electroharmonix」の遊び方 | インスピ
https://www.ebook5.net/blog/electroharmonix_fonts/

「俺達の歌は俺達の言語で表示すれば十分じゃね?」ってやつです。
「AI同士で会話させたら独自の言語を使い出した」という話の
不気味さやある種の熱さに通じるものがあると思います。

1サビの後くらいにあるこの画像は
パチンコ台のデータカウンターの素材を、私が加工したものです。
元素材はPhoto ACよりお借りしたものです。

この画像はいらすとやさんの有名な素材「AIに支配される人達」です。
高速歌唱地帯の前に一瞬だけサブリミナル的に映るので
目を凝らして探してみて下さい。

以前も書きましたが、涼さんの動画イラストはpixivでご覧頂けます。
背景については本当に全てに意味があるので
じっくりご覧頂けると嬉しいです。

・五線譜に殴り書きをする人
・レッドブルと思しき缶の山
・大量の在庫のダンボールを抱えながらギターを弾く人
・モニターに手を伸ばそうとする人

のような、鏡音を取り巻く人々の光景を描写しつつも
随所にほのかな闇を滲ませたものとなっています。

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著者「アンメルツP」について

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