謎解きに目を凝らす話~メカクシティクエスト(カゲプロ脱出)江ノ島歩きの感想
10月26日、「M3-2019秋」の前日となりますが、
江ノ島で開催されているナゾトキ街歩きゲーム「メカクシティクエスト in 江ノ島」(カゲプロ脱出)に行ってきました。
これは、リアル脱出ゲームでおなじみのSCRAPと、じんさんの「カゲロウプロジェクト」のコラボによる
街を歩いて各地で謎を解きながらストーリーを楽しむ企画です。
想定よりも時間はかかりましたが謎解きのクオリティも高く、
がっつり島の観光もできたので楽しい時間を過ごせました!
目次
ネタバレは無いけど、ワンクッション置きます
問題の答えを書くような確信に迫るネタバレは書いてありません。
しかし、この先には
「問題の難易度はどれぐらいであったという情報」
「スタート地点の写真」
「直接問題には関係ない江ノ島の光景」
など「完全に知識のない状態で行きたい!!」という人にとっては
楽しみを削いでしまう情報が含まれているかもしれません。
そういった方はこの先の情報はご覧にならない方が良いでしょう。
それ以外の方、
行くにあたって難易度が重要だという方や
行くつもりがないけどざっくりした感想を聞きたいという方は
是非ともお先に進むことをお勧めします。
ところで最近のカゲプロってどうなってるの?という方へ
2018年11月、じんさんのサードアルバム『メカクシティリロード』が発売されました。
続編的なものというよりは、どちらかと言うと
ファーストアルバム『メカクシティデイズ』やセカンドアルバム『メカクシティレコーズ』で
描かれなかった要素を補完した存在と言える楽曲が収録されています。
小説版は2017年の年末に出た8巻をもって完結し、
次いで漫画も2019年に最終巻となる13巻が発売されています。
漫画や小説版を最後まで読むことで、
2014年に放映されたアニメ『メカクシティアクターズ』では一体何をやっていたのかの
正体の一端がわかるようになっています。
やっと5年経ってわかるのかよ!と突っ込みも入りそうですが、
全部見た人なら何とか理解できるかなぐらいの存在となりました。
なお、本編(曲・小説・漫画・アニメ)は完結していますが、
その後はチャット形式のキャラクターの会話で進行する『メカクシティトーカーズ』など、
登場キャラの設定を活かした派生作品がリリースされております。
そして、本編のスピンオフ作品的な『カゲロウデイズ No.9』が
2020年にリリースされることが、2019年夏に発表されました。
どうもこの作品は江ノ島が舞台となるようで、
この脱出ゲームもそんな江ノ島をカゲプロの一つの聖地として
新たに推していく動きのひとつであると言えるでしょう。
8月には江ノ島の海の家を舞台にしたコラボカフェ的なイベント
「メカクシティシーサイド」も開催されました。
実際今回の「メカクシティクエスト」というイベントには
自治体(藤沢市)や藤沢市観光協会も協力としてクレジットされています。
ローカルの店などと予想以上に連携しているといった工夫もあり、
ゲームを通じて江ノ島という地域に対する知識も深められます。
何もなしに普通に観光するよりも、江ノ島をもっと楽しめるようになっていると感じました。
個人的には千葉県民として柏をもっと推して欲しいところなのですが、まあ色々あるのでしょう。
主題歌はVOCALOID「洛天依(ルォ・テンイ)」が歌うじんさんの楽曲「draw」となっております。
先のフェス「DIVE XR FESTIVAL」で披露された曲ですね。
新曲「draw」がカゲロウデイズNo.9のエンディングテーマに決定! | 洛天依(ルォ・テンイ)オフィシャルサイト
カゲプロは現在でも、中高生を中心に一定の人気を保つ存在です。
2013~14年あたりの流行りの時期にカゲプロを通った中高生たちは
いま大学生・社会人になって別のコンテンツにはまっているかもしれませんが、
17歳ごろに聴いた音楽というものは、基本的に死ぬまで離れられないらしいので
多分これからフラットにカゲプロやじんさんの音楽を語れるような大人も
少しずつ増えていくと期待しています。
街歩きと江ノ島の光景たち
さてようやく記事の本題です。
「問題の答え」のようなネタバレは厳禁ですので、
それを避けながら一般論を中心にいろいろ語っていきたいと思います。
スタート地点「スバナ会館」
今回のスタート地点は、これは公式サイトに記載がありますが、「スバナ会館」という場所です。
私が調べた時はGoogleの地図に乗っていなかったので一瞬戸惑いましたが、
思ったより看板やのぼりに「メカクシティクエストやってます!」という圧があったので
すぐにわかりました。
ご覧の通り、とてもわかりやすい施設になっております。
江ノ電の「江ノ島」駅から徒歩で5分もかからない場所にあり、
江ノ島方面に道なりに行くとすぐに見つかります。
ここでチケットの受け渡しや、クリア後の記念撮影などができます。
その後は、ゲームがてら江ノ島などを歩きながら謎を解いていく展開になりますので、
具体的にどの場所を巡るかは伏せますが、
ここからは断片的に印象に残った光景だけを中心に写真を載せていきます。
夕焼けと海と富士山
参加した10月26日は、ほとんどの時間晴れていたことが幸いでした。
最後に少しだけ小雨もぱらつきましたが、全体的に良い天気に恵まれていました。
なお当初は10月13日に行く予定でしたが、ご存知の通り台風19号がその前日に襲来して、
イベントが中止になり26日へと予定がずれ込みました。
その26日も、直前に台風が続けざまに来て「果たして無事に行けるのだろうか」と心配していたのですが、
無事に観光に非常に良い天気になったのが幸いでした。
多くのリアル脱出ゲーム系のイベントのように、
このイベントでもスタート地点であるスバナ会館で謎解きのためのキットを渡されます。
雨ですと、傘を差しながらの状態で謎を解かなきゃいけないので
少しストレスがたまるかもしれません。
これから行く人は当日が好天に恵まれることを祈りましょう。
天気がいいと、江ノ島の様々な場所から富士山を見ることができます。
とても美しい光景、まさに景勝地という言葉が似合う場所ですね。
葛飾北斎『富嶽三十六景』でも描かれた場所です。
ちなみにその日、江の島に向かう橋の辺りにいたおじさんが、
行く人行く人に「いま富士山が見えるよ」と言って案内していたので、
「ドラクエのNPC(ノンプレイヤーキャラ)かな?」と思いました。
帰り際には、「夕焼けと海と雲と富士山」という光景を写真に収めることができました。
タヌキとの遭遇
江ノ島の中にはいろんな動物もいて、猫とかは触れ合う人もいたり、
ほかにも観察しながら見て回りました。
タヌキがいたのは結構驚きましたね。
人生で初めて生で見たかもしれません。
比較的すばしっこくて、でもあまり人間は警戒していないという様子でした。
貴重なシーンを撮れた気がします。
江ノ島のしらす丼
食事に関しては、江ノ島ではしらす丼が有名です。
「生しらす」という選択肢もありましたが、数年前に食べたので
今回は普通のしらすとマグロの組み合わせの丼を選びました。
生しらすは独特の食感と味があり、普通のしらすしか食べてない人にとっては
とても新鮮だと思いますのでぜひ一度ご賞味ください。
普通のしらすも、もちろん美味しかったです。
右にお茶漬けの薬味みたいのが写ってるんですが、最初に海鮮丼として食べて
後半から好きな薬味をふりかけ、お茶を注いで食べるという「名古屋のひつまぶし形式」で
二度美味しいというメニューでした。
江ノ島には随所に食べ物屋・食堂がありますので、
謎解きに詰まった時はそこに入って食事をしながら謎を考えるのもありです。
今回のイベントでは結構歩きますので、必ず休憩したいときがやってきます。
謎解きキットを持っていくと割引クーポンとして使える店もあり(どの店かはそのキットに書いてあります)、
このような形でもコラボが推進されていました。
江ノ島駅の鉄道ジオラマ
こちらは帰りの江ノ島駅で見たジオラマの光景です。
本当に細かいところまで再現されています。
今回はメンテナンス中で、電車を実際に動かすことはできなかったんですけれども、
看板・人・車など、随所にこだわりの見える完成度の高いジオラマで見てて飽きなかったです。
改札に入ったと同時に前の電車が行ってしまって15分ぐらい待つことになったのですが、
ほとんどこれだけ見て全然飽きずに時間を過ごせました。
藤沢駅周辺での打ち上げ
イベント終了後に参加した人(合計4人)で飲みに行きました。
江ノ島駅の周辺には飲み屋やバーが少ないので、
一旦藤沢駅に移動して、藤沢でバーを見つけて飲むという形になりました。
むかし神奈川に住んでいた時に、藤沢のゲームセンターによく行った記憶があります。
東京で言うところの蒲田や錦糸町のようなポジションで、食事や飲みは困らない場所ですね。
最初は「HUB」に行こうとしたのですが、
その時はちょうどラグビーワールドカップ準決勝・イングランド対ニュージーランド戦をやっており
店の外にいても聞こえるほどの声援が凄すぎて近づけそうにない雰囲気でした。
結果、近くにある「BAR GORILLA」という店を選びましたが、
適度な賑やかさもありつつも、雰囲気が良く、参加メンバーで楽しく話ができました。
打ち上げは藤沢でやることを個人的にはオススメします。
かかる時間と難易度の目安は?
私たちのグループは4人で参加し、12時半スタート、18時少し前に終了しました。
都合5時間半後ほどかかっています。
しかしこの時間の中には、謎解きに関係なく道を外れて観光に行った時間や
食事の時間が含まれているので、
実際に謎を解いている時間としては3~4時間ほどでした。
公式サイトにはプレイ所要時間「2~3時間」との記載がありますが、
個人的にはそのペースで行こうとすると少し急がなきゃいけないか、
謎解きに慣れてないといけない気がします。
知力と体力の両方を求められるなかなかハードな行脚になりますよ。
謎解きの内容はかなりしっかりしていて、さすがSCRAPという感じでした。
カゲプロ公式でやることはたまに「予算・時間不足だったのか…?」という思いを抱くことがあるんですが、
このイベントに関しては全くそれを感じさせることはありません。
ファンはもちろん、カゲプロを知らなくても謎解きとして面白いものになっております。
難易度としては、いわゆる「謎解きガチ勢」であれば多分簡単です。
しかし、カゲプロ好きの中高生や、普段クイズや謎解きに慣れていない人から見ると難しいと思います。
わからない場合はヒントをもらえる仕組みがあるので、完全に途中で行き詰まることはないとは思いますが、
うちのグループはノーヒントクリアを目指していたので(達成しました)、それなりに歯応えがありました。
謎解き・リアル脱出ゲームは複数人での参加がおすすめ
これはメカクシティクエストに限らずどの謎解きイベントにも当てはまるんですが、
基本的には複数人での参加をお勧めします。
私はいろんなイベントに一人で行くほうだと自覚はしていますが、
そんな私でも、謎解きに関しては必ず数人のグループを作っていくようにしています。
というのも、一人で参加した場合は問題を解けないとそこで即詰んでしまうからです。
クイズは人によっても得意分野と苦手分野があり、
例えば私は法則問題や論理パズルは人よりも解けるほうだという自覚はありますが、
逆に空間把握や図形を扱う問題には苦手意識があります。
すなわち謎解きの経験があるなしにかかわらず、色んな「能力者」を集めて行った方がいいと思います。
(ここら辺はカゲプロを忠実に再現している気がしなくもない…のか?)
おわりに
ちなみに、このイベントに参加しなかったからといって
カゲプロ本編の話についていけなくなるかというと、
決してそういうわけではないので、参加にあたってハードルの高い地方の方もご安心ください。
ただ、参加をすると来年に上映される(らしい)「カゲロウデイズNo.9」を
より楽しめるようになるかもしれませんね、ぐらいは言っておきましょう。
とにかくカゲプロファンもそうでない人もどちらも楽しめるという、
(失礼ながら)近年のカゲプロにしてはよくやったなというイベントだと思います。
江ノ島自体に行くのは数年ぶりでしたが、イベントのおかげでより江ノ島を楽しめました。
開催は11月17日までとなっております。
皆様お時間があれば是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
なお、私「アンメルツP」は、カゲロウプロジェクトの小説や漫画から着想を得た
二次創作の楽曲を作る同人活動を行っております(※非公式です)。
こちらの最新作は、
今年の4月のカゲプロオンリーイベント「メカクシ団活動日誌10冊目」で出しました
『モウテンリカーシヴ』となります。
キドさん(木戸つぼみ)推しなので団長の曲が多いんですが、
それ以外にも様々なキャラを様々なボカロに演じてもらっています。
全10曲収録。
通販を行っているので、ご興味のある方は手に取ってみてください。
2019年11月17日(日)開催のボーマスなど、同人イベントでも頒布しております。
著者「アンメルツP」について
アンメルツP(gcmstyle / 安溶二)
ボカロP。鏡音リン・レンなどのVOCALOID(広義)を歌わせたオリジナル曲・カバー曲を2008年から作り続けています。代表作にゲーム『プロジェクトセカイ』収録の高難易度曲「人生」、著書に『ボカロビギナーズ!ボカロでDTM入門 第二版』(インプレス)など。
音楽ジャンルに関係なく、キャラクター性を活かしたボカロ曲を制作しています。
楽曲ストリーミング配信、カラオケ配信(JOYSOUND/DAM)多数。