【おすすめVST紹介】「Tantra」手持ち音源の可能性を無限に増やすマルチエフェクター | G.C.M Records

【おすすめVST紹介】「Tantra」手持ち音源の可能性を無限に増やすマルチエフェクター

はじめに

実際に私アンメルツPがボカロ曲などの制作の際に使っている
おすすめVST/VSTiプラグインを紹介・レビューしていくシリーズの第12回。

「実際に楽曲で使用したVSTプラグインの紹介」にこだわっています。
使用楽曲も貼っておりますので、ぜひ聴きながら曲作りを彩る道具たちの解説をお楽しみください。

前回の「OneKnob Pumper」についてはこちらからどうぞ。

プラグイン紹介

プラグイン基本情報

プラグイン名:Tantra(読み:タントラ)

価格:定価69ドル、3つの拡張プリセット集がついた特別版は99ドル

ビット数:64bit/32bit両対応
メーカー/開発者名:Dmitry Sches Audio Software

公式サイト(紹介、購入もこちら):
https://dmitrysches.com/products/tantra

Dmitry Sches Audio Software「Tantra」画面。様々なエフェクターを組み合わせて複雑なサウンドを作れる
Dmitry Sches Audio Software「Tantra」画面。
様々なエフェクターを組み合わせて複雑なサウンドを作れる

手持ち音源のプリセットが数十倍に!?その無限の可能性

フィルターや歪み、音量などを
16分音符などの単位でリズミカルに変化させることで、
単純なフレーズに色々味付けをすることができる、マルチエフェクトプラグインです。

新しいフレーズを生み出せるという点において、かなりの力を発揮します。

元のシンセにこのエフェクターのプリセットを適当に組み合わせるだけで、
あたかもシンセのプリセットの種類が数十倍になったかのような感覚に陥ります

単純にコードを奏でただけではチープな音であっても、
それなりに聴けるものに変貌してしまう
ので、活用の可能性は無限大です。

バッキングや左右で鳴る音がなんとなく足りないという場合に
とりあえずコードを打ち込んでおいて、
プリセットを片っ端から試して空間を埋めるという使用用途が多いです。

ダンス系の楽曲であれば、メインで鳴る音に変化をつける目的で要所要所で使うというやり方も
応用が効きます。

「Tantra」の使い方

基本的には、 「3つの拡張プリセット集がついた特別版」(99ドル)を買うと
デフォルトとの合計で400種類以上のプリセットがついてきますので、
その中から適当に選ぶだけでほとんどの音作りは事足りてしまいます。

細かくいじりたいときの基本的な使い方を以下に記します。

「Tantra」では、あらゆるエフェクトの適用量をリズミカルに変化できる
「Tantra」では、あらゆるエフェクトの適用量をリズミカルに変化できる

画面上部にある青色の窓が、8分や16分音符の区切りごとに
どれくらいの「適用量」にするかという、「モジュレーター」部分
です。
DAWでいうと、FL Studioのステップシーケンサーみたいな画面に近いでしょうか。

この「適用量」ですが、単に音量を上げ下げするという役割のみならず、
Tantraの中のあらゆるノブ(ツマミ)に対して割り当てられるのが大きな特徴です。

やり方は、右上の「1~8」の下にある、イヤホンの差込口のような黒い丸から
マウスをドラッグすると、白い線が伸びますので
これを適用したいノブのところにドロップで持っていくだけです。

ノブにオレンジ色の部分ができたら成功です。
オレンジ色の範囲が、モジュレーターでの適用量が最小のときと最大のときの範囲を表します。
これは右ドラッグで拡大縮小できます。

これを8個まで同時に定義できますから、
もうこれだけで相当カオスな音作りができることがおわかりかと思います。

さらには、用意されている7種類のエフェクター適用順を自由にシャッフルできます。

・FILTER(フィルター)
・DISTORTION(ディストーション)
・DELAY(ディレイ)
・LOFI(ローファイ)
・FLANGER(フランジャー)
・GLITCH(グリッチ)
・TREMORO(トレモロ。上部のモジュレーター部分で定義する)

エフェクトはAとBの2パターンを定義でき、これの適用ボリューム・パンも調整ができます。
(右側の「Mix A」「Pan A」などの部分)

いちいち各エフェクターのパラメータを手動で調整するのが面倒くさいという方は、
あちらこちらにあるサイコロの「5」の目のようなボタンを押すと、
パラメータがそのたびにランダムで設定
されます。
偶然の出会いに賭けるのも面白いかもしれません。

このプラグインを使った作品

午後八時のウォーキング

歌唱:巡音ルカ

帰宅時にウォーキングしながら聴くための曲を自給自足しました。
ルカさんと一緒に、とりとめのない話をしながら落ち着いて歩けたら最高だなと思います。
テンポは歩く速さと同じ。足でリズムを取りながら前へとステップを進めることができます。

楽曲中ずっと右から聴こえる、ふわふわしたピアノに「Tantra」を適用しています。

こちらのツイート内の動画で、
何も適用していないときのピアノとTantraをかけたピアノ、
そして完成した曲のイントロを順番に流しています。

もとは単純なピアノのベタ打ちですが、Tantraによって複雑なディレイなどが組み合わさり、
不思議と包み込むような雰囲気に変わっているのがわかるかと思います。

デモ版のダウンロード

「Tantra」の公式サイトから、デモ版をダウンロードできます。

デモ版は90秒ごとにノイズが入るだけで、機能自体はフルでお試しができますので
気になった方はぜひ試してみてください。

J-POPやダンスポップ、EDM、クラブ系音楽など、
打ち込みの音が活躍するあらゆるジャンルで有用かと思います。


34名のボカロP・DTMerらに 「実際に作品に使用して、役に立ったVSTプラグイン」
「使った曲へのリンク」とともにご紹介頂きました。
172ページの同人誌 『VST Lovers』は、現在BOOTHで頒布中です。
詳しくは、下記のバナーよりリンクしている特設ページをご覧ください。

次の記事「」へ

前の記事「」へ

著者「アンメルツP」について

関連記事・広告

記事をシェアする