ボカロ、VTuberら出演のフェス「DIVE XR FESTIVAL」ボカロPの観戦記 | G.C.M Records

ボカロ、VTuberら出演のフェス「DIVE XR FESTIVAL」ボカロPの観戦記

先日2019年9月23日(日程としては2日目で、技術書典7の翌日ですね)に幕張メッセで行われた、
「DIVE XR FESTIVAL」というライブに参加してきました。

こちらは初音ミクや洛天依(ルォ・テンイ)などのVOCALOID、バーチャルYouTuber、
AI、アニメキャクターなど、いわゆる実在の人物ではない存在なら何でもありという、
まさに異種格闘技戦のようなフェス形式で行われたライブイベントとなります。

様々なアーティストを見ることができ、会場もおなじみの幕張メッセであり、
最新の動向についていくという意味も込めて参戦しました。

大きな看板のような写真映えするスポットがなかったので、今回写真は撮っていません。
公式サイトからのリンクや他のサイトを見ると色々写真が掲載されていますので、
ビジュアル面はそちらをご覧ください。

ちなみに前座のDJステージには八王子Pさんらが参加されていましたが、
これは写真を撮ってもOKだったということようです。

DIVE XR FESTIVAL supported by SoftBank オフィシャルサイト

2日間で14,000人が熱狂 初音ミクやKizuna AIら豪華出演者によるバーチャル音楽フェス『DIVE XR FESTIVAL』オフィシャルレポートが公開 | V-Tuber ZERO

ここではTwitterでつぶやいた感想のまとめに少しだけ肉付けしたものを備忘録として残しておきます。

筆者の事前知識

私はボカロ(主に鏡音リン・レン)を比較的追っかけているボカロPですが、
VTuberに関しては、動画をそれほど見ているほうではありません。

トレンドニュースやTwitterタイムラインのツイートなどで全体の動向を追っかけ、
たまに歌の動画などを見ることもあるというところです。

個人的にVTuberの楽曲で気に入っている作品は、
今回の出演者ではありませんが、燦鳥ノムの「Life is tasty!」ですね。

こちらはじんさんが作詞作曲されており、
「夕景イエスタデイ」を彷彿とさせるとても爽やかな楽曲となっております。

ライブ全体の感想

全体の感想としては本当に「何でも許せる人向け」の極みのようなライブでしたね。

フェスの本来の魅力ともいえる、知らないアーティストの曲でもその場でノリながら楽しめて、
新しい出会いを味わうことができる
という点でとても期待通りで楽しかったです。

ラストのミクさんの盛り上がりは別格としても、
どの演者さんでも会場は元々のファンに加えて、
それぞれの個性によりその場でお客さんの魅力を掴み、思い思いに盛り上がっていました。

音楽フェスのもうひとつの魅力として、大きな舞台で様々なドラマが交錯しあうことが挙げられます。

出演者はバーチャルでも、本人やファンが歩んできたストーリーは本物。
各演者がこれまで歩んできたストーリーや文法を事前に押さえていれば
もっと楽しめるんだろうなー!という部分もありましたが、
この場でもフェスの醍醐味であるドラマをたくさん見届けることができました。

今日が最後のライブだという「流石乃ルキ/流石乃ロキ」や、
今回のフェスのために結成されて描き下ろし曲を歌うユニットなど。

それぞれの陣営がかける思いが反映されていました。

特に印象に残った出演者

まりなす(仮)

女性四人組がユーロビートを歌っており、ダンスのモーションもキレキレだったので
一瞬1990年代の女性四人組ダンスユニット「MAX」がフラッシュバックしました。

で、後から調べたところエイベックス発のバーチャルユニットだということで、
自分が抱いた感情は間違っていないということが証明されました。

最新のバーチャルユニットではありますが、同時にエイベックスの伝統手法も感じました。

アンメルツPのツイートがまりなすのメンバーに軒並みいいねされているスクリーンショット
圧 を 感 じ る

銀河アリス

曲もダンスもすごく良かったです。

VTuberは高い声でハイテンションで元気なイメージが強かったので、
しっとりした聴かせる曲とダンスができる存在として個人的にかなり印象に残りました。

響木アオ

カ オ ス

知らない観客を置き去りにするかのごとくの電波ソングの連続で異彩を放っていました。

しかしながらこの場に挑むための真面目な曲が多い中で、
とても目立っていたことは事実です。インパクトは非常にありましたね。

ミス・モノクローム

今回のライブで一番の発見。

VTuberの動画流行る数年前からバーチャルキャラクターとして存在していたとのことでしたが、
私は今回初めて知りました。

テクノポップ楽曲もいい感じでしたし、なにより片言の喋りがロボットっぽくてとても好きです。
バーチャルキャラクターは個人的にはこんな感じで全然いいんです。

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洛天依

bilibiliを拠点に、すっかり中国におけるVOCALOIDのパイオニアとしての存在を築いた彼女。

bilibiliのライブでは一足先に初音ミクと共演したことがあるそうですが、
今回は日本初ライブだけに制作陣も気合を入れてる感じが伝わってきましたね。
VOCALOIDとして中国語も日本語も出来るというのはとても強みです。

こちらも日本でのプロモーションにはエイベックスが絡んでおり、
今後日本でもファンを増やしていくものと思われます。

1、2曲目は彼女の代表曲ともいえる中国語楽曲ですが、
3~4曲目はじんさんの書き下ろしによる日本語の楽曲でした。
相変わらずの爽やかロックという感じで楽しく聴けました。

なお、3曲目の「draw」は、来年公開のカゲプロのスピンオフ作品のテーマ曲となっているようです。

新曲「draw」がカゲロウデイズNo.9のエンディングテーマに決定! | 洛天依(ルォ・テンイ)オフィシャルサイト

※カゲプロはこんな感じで周辺からしれっと本家(じんさん/1st Place/EDWARD RECORDS)より詳しい情報が出たりするので全く油断ならないコンテンツである。

ミライアカリ

人を盛り上げる術を既に知っており、ベテラン演者の雰囲気を感じました。
やはりVTuberとしての経験がここに現れるのでしょうか。

ちなみに「ミライトミライ」といい、 流石乃ルキ/流石乃ロキ 「ルキロキ☆ラッキー」といい、
ナユタン星人さんの無双ぶりが光りました。

ナユタン星人さんもそうですが、
「この曲あの人だな!」って明らかに個性のわかる作曲家(ボカロP)はやはり強いですね。
「この感じはキノシタさんかな?」というのが実際そうだったりとか。

あんさんぶるスターズ!

2017年開催のライブにタイムスリップする設定でライブが行われました。

なお先ほどの洛天依の後半からは生バンドが加わり、
このあんスタにおいても生バンドを交えたライブになっていました。
生音があるとやはり空間が締まりますね。

タイムラインではファンも多く名前をよく聴きますが、どのような曲かは未チェックでした。
しかし、本当にいい曲をもらってますね。
男性アイドル楽曲のツボを押さえた構成となっているように思いました。
とりわけKnightsの2曲目「Fight for Judge」では会場の男性陣もかなり盛り上がっていました。

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初音ミク

基本的にはマジカルミライの今年もしくは過去ライブの一部抜粋であり、
特別な感想はありませんが、
会場が一体になって盛り上がっていたことに、
やっぱり多くの方の原点がここにあるんだなという感慨を抱きました。

そういえばこの日の出演者には緑がイメージカラーのキャラが少なかった気がしますが、
やはり初音ミクの存在が大きく、そこはみんな設定上無意識に避けているのかもしれません。

なお、このステージでのミクさんは一切MCがありませんでした
そういう意図なのか、単に時間や予算が無かったのか(こっちの可能性が高い)はわかりませんが、
他のキャラクターが楽しいMCを展開する中で
「歌うソフトウェア」という存在がかえってクローズアップされた
ようにも思えました。

とはいえマジカルミライではミクさんのMCがありますし、
2019年8月に行われた「Vサマ!」というVR空間上のライブイベントでは
ミクさんがものすごく喋った
という話も聞いており、
公式のミクさんであっても様々な存在がいるということも感じました。

おわりに

気になる点も、下記に挙げるようにいくつかあります。

せっかくのフェスなんだから、アンコールで何らかのサプライズ演出をして欲しかった
※出演者間の共演やコラボなど。
ロックフェスでは最後の人だけアンコールがあるのが恒例行事なんですが、
今回はアンコール自体ありませんでした。

・演者間での担当曲数のバランス

・タイムスリップ設定だとしても「あんスタ」のMCは客層に合わせて少しセリフを変えてもよかったのでは?

ただし、ライブ全体の楽しさに比べればこれらは小さな問題であり、
支払った代金のぶんは十分楽しめましたし、刺激にもなるイベントでした。

ちなみにTwitterでは一部の演者がリアルタイムMCでないことに不満が上がっていましたが、
ボカロファンである私から見ると、ミクさんのライブはすべて録画に決まってるので
違和感はありませんでした。

が、VTuberはすなわち「生放送主」なわけで、そこを気にする人はそりゃいるだろうなという
理解・共感はします。

バーチャルキャラもこれからさらに盛り上がっていくのは確実ですから、
将来的には他のロックフェスやアイドルフェスのように
複数ステージ制なんていうことも出てくるかもしれません。

個人的には、初音ミクが蒔いた種が10年経ち、
こうしてバーチャルキャラだけでフェスが成立するという世界になったことに、とても感動を覚えています。
時代は前に進んでいると確信をできる、そんな機会でした。

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著者「アンメルツP」について

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