ボカロのことだけ出るクイズ大会「ボカクイ」に参加しました
目次
はじめに
こんにちは、アンメルツPです。
だいぶ時間が経ちましたが、2020年2月16日に開催された「ボカクイ」という
初音ミクほかVOCALOID(ボーカロイド)に関する問題のみが出題されるクイズイベントに参加しました。
とても楽しく濃い一日を過ごせましたので、
当時の記憶を辿りつつ、イベントレポートという形で記録に残していきたいと思います。
以前、告知というか勝手に宣伝記事を書いたイベントですね。
タイミングとしては新型コロナウイルスの各種イベント自粛直前となるもので、
まずは無事に開催されて一安心でした(その後も何もなさそう)。
大会の様子は、主催のひとり・きぐなさんが下記のTogetterにまとめていらっしますので、
全体の雰囲気などこちらを参考にしてみてください。
ボカロのクイズ大会「ボカクイ」まとめ – Togetter
https://togetter.com/li/1469810
注意事項
文中の出題された問題のうち、ペーパークイズ以外は記憶にもとづき再現しております。
将来のボーマスで問題集を発行する計画があるようなので、
正確な表記につきましてはそちらをぜひお求めください。
(参加者・スタッフの方、明らかな事実誤認などあれば教えてください)
私の事前対策
まずはボカクイに向け私が行った事前対策のお話をしていきます。
早押しクイズに慣れる
私はクイズ番組や動画をたくさん見たり、ごくたまにリアルのクイズ大会にも参加しています。
昔は「Answer×Answer」などのゲームセンターの早押しクイズもよく遊んでいました。
ただ、ボカクイで予想される大量の早押しに慣れておこうということで
「みんなで早押しクイズ」、通称「みんはや」というアプリをインストールして
通常の問題や、有志がフリーマッチで出題しているボカロ問題などを直前に解き続けました。
(iPhone版/Android版)
ボカロみんはやについては、時間があれば別に単独記事で魅力を紹介できればと思います。
特に、実践に近い形式で直前に行われた対策用のボカロクイズ(作問:STNさん)では
主催のきぐなさんに次ぐ2位に入れたので、
ひょっとしたらそこそこ行けるのではという自信をある程度持つことができました。
最近のボカロ曲を聴く
しかしながら私には致命的な弱点がありました。
ボカロ歴の長さから、ボカロ全体の流れはある程度わかっているつもりだったのですが、
個別の曲については、詳しい人に比べると本当に知識がない。
特に2016年以降の鏡音以外のヒット曲に関する知識は壊滅的でした。
そこで2月には、主にYouTube Musicを活用して、
最近の鏡音以外の再生数が多いボカロ曲をたくさん聴きました。
当時執筆中だった新刊『データで考えるYouTubeサバイバル術』の
原稿の材料探しも兼ねているという、一石二鳥のアプローチです。
2016年~2020年の再生数上位の再生リストを公開している方がいらしたので、
それを活用させて頂きました。
そのうち高評価した200~300曲くらいの曲を直前にリピートしていた感じですね。
人間が記憶するのに一番効率がいいのは「心から好きになったものに自然と触れる」ことだと思っています。
社会人として限られた時間の中でレベルを高めるための戦略としては、
好きになった曲をとっかかりに周辺知識を広げていくしかないかなと。
クイズのために好きでもない曲を覚えても本末転倒ですからね。
もちろん普段から曲を熱心に聴いている人に、こうした付け焼き刃な知識で敵うはずはありません。
しかし、結果としてこれは功を奏することになります(後述)。
対策用スプレッドシート
もうひとつ、これは開催前日でしたが、niconicoで最近再生数の多かった楽曲や
マジカルミライ・雪ミクの歴代テーマ曲など、クイズとしていかにも出題されそうなものを
Googleスプレッドシートにまとめていました。
会場へ向かう道や会場内でもスマホで表を見れるので便利です。
ボカクイでは基本niconicoで「伝説入り」などの再生数の言及をされる問題が多く、
「代表曲」などもniconico内の知名度を基準に出題されるケースがあるだろうと判断し、
YouTubeと乖離したniconicoの数字をなんとなく把握しておこうということですね。
この対策用シートで得た知識は、後で思わぬハプニングを巻き起こすことになります(後述)。
会場到着
こうして無事に開催当日を迎えました。
会場に着いた第一印象は「会場、思ったより広いぞ!?」でしたね。
てっきり会議室を想像してたのですが、劇場の小ホールのようなものでした。
プレイヤーは全員壇上で早押しボタンのある席に座ります。
本当に競技クイズという感じで、ちょっと緊張しそうだなというのが最初の感想でしたね。
参加者は62名。
第1ラウンド
第1ラウンドはペーパークイズです。
全員が筆記問題に一斉に挑み、上位12名は第2ラウンドをシードして直接第3ラウンドに進みます。
ここで強豪プレイヤーの存在が会場内に認識されるほか、
シード圏内に入れなくても、順位が高いほど次の第2ラウンドで有利になるので、
基本的な実力をジャッジされる重要な最初の関門となります。
ペーパークイズは競技クイズではお馴染みの形式ですが、50問の問題に割り当てられた時間はわずか15分。
1問につき18秒という計算です。
記憶の引き出しを悠長に当たっていく暇はなく、本当に自信のある問題からどんどん回答していき
残りの数少ない見直しの時間で1点でも点数を上げていく、時間との戦いでした。
ペーパークイズの問題は回収されないので私の手元には残っています。
問題レベルとしては、簡単なものから非常に難しいものまでかなりバラバラという感じでしたね。
「39」「ドーナツホール」など有名曲、あるいはボカロPの名前が答えになるものから、
歌詞の内容を答えさせるものなども。
2007年から2020年まで幅広く出題され、総合的な知識が必要です。
(すべての問題は後日発行の問題集でぜひご確認ください)
ここで2~3点を積み上げられたのが、直前のYouTube対策です。
【Q8】印象的な一枚絵には、ターンテーブルやギター、注射器、カプセル剤、絆創膏が交差するように描かれており、決め台詞の「めっ!」を表現していると思われる、かいりきベアの中毒ソングは何でしょう?
【A】「ベノム」
【Q10】音楽ユニット・ずっと真夜中でいいのに。のデビュー曲「秒針を噛む」の作曲・編曲も手掛けた、2019年『命ばっかり』『フラジール』『フィクサー』の3曲が相次いでダブルミリオンを達成した実力派ボカロPは誰でしょう?
【A】ぬゆり
あたりは、おそらく1月までの自分であれば答えられなかったでしょう。
【Q19】のぼる↑の『鎖の少女』にみられるワタシとアナタの関係性の描写で、「ワタシ」は「アナタの装飾品(ジュエル)」と歌われていますが、「アナタ」は「ワタシの何」と歌われているでしょう?
【A】操り師(アクマ) ※漢字でなくても正解
こちらは、以前カバー曲の制作で頭に染み付いていたので冷静に正解できました。
あるいは、
【Q31】ボカロの調教に用いるパラメータで、VOCALOID4以前では「GEN(ジェンダーファクター)」の数値を上げたとき、VOCALOID5では「Character」を下げたとき、声は「男性的になる」「女性的になる」のどちらでしょう?
【A】男性的になる
といった具合で、人生におけるボカロに関する経験が、全部1~2点の積み上げにつながってくるわけですね。
この50問に、ビジュアルクイズとリスニングクイズ10問ずつで合計70問という構成でした。
いい問題だと思ったのは、「何という楽曲のMVの一部でしょう?」というビジュアルクイズですね。
ナユタン星人っぽい緑背景に白い初音ミクが写ってる絵が出題され、
「ナユタン星人さんのどの曲だろう?」と思って私も間違えたのですが、
これはナユタン星人さん本人ではなく、パロディ作品の「ミクがネギを背負ってやってくる」でした。
本当に知識がある人を見分ける良問でした。
自己採点の結果、私の成績は70点中ちょうどといっていいのか、39点でした。
その結果、62人中の10位となり、第3ラウンドのシード権を獲得できました。
ちょうどボーダーライン上の39点前後に複数の人が並んでいたようで、
2~3点ぶん最近の曲の問題を拾えたことが、結果的にペーパー抜けするか第2ラウンドに回るかの
運命の分かれ目となったわけです。
第2ラウンド
2ラウンドは観客席からある程度落ち着いて他の人のプレイングを見るとともに、
クイズ自体を楽しむことができました。
全体の中では比較的簡単な問題が出題されたこの第2ラウンドですが、
1組につき12人が回答席につく中で、もちろん早押しクイズの回答権は1人。
さらに4問正解(ペーパークイズ上位者はアドバンテージあり)すれば勝ち上がりの中、
2問間違えると即失格というプレッシャーがかかるラウンドでもありました。
ここで印象に残ったのは、主催のきぐなさん・ぽんずさん両名による作問の良さです。
例えばこんな感じでしょうか(この問題は実在しません)。
「『△△』というアンサーソングも存在する、
『○○』(絵師名)による楽しげな表情を浮かべる少女のイラストも印象的な、
「人生楽しむためには□□も必要だよね」と初音ミクが優しく視聴者に語りかける
××Pのポップソングは何でしょう?」
「前フリ」の語彙力の豊富さと圧倒的な知識量。
周辺情報や絵師さんの名前、さらには歌詞などを用いた楽曲の特徴を巧みに語りつつ、
より知識の深い人が速く回答できるという、
ボカロ好きのクイズ職人の本気、ボカロ愛を感じる問題が並んでいました。
いろんなクイズ番組や動画を見てても思うことではあるのですが、
やっぱりクイズって作問が本当に楽しさを左右するということが改めてよくわかりました。
なお、このボカクイには様々な方がエントリーしていたのですが、
実は「QuizKnock」の川上拓郎さんも参加していました。
第2ラウンドのあるブロックの参加者一覧に「川上拓朗」と表示されていたので、
「あれ?この方ってあの川上さんかな?」と思っていたら本物でした。
東大クイズ研究会の方が何名か参加されていて、川上さんもそのメンバーとして来ていたようです。
このラウンドを無事に勝ち抜き、第3ラウンドに進出されていました。
このように、高校や大学のクイズ研究会に所属しているクイズガチ勢が
数多く競技クイズの流れとして参加していたのがこのイベントの大きな特徴です。
それに対し、「みんはや」のアプリでボカロの問題を日々出し合っていた通称「ボカロみんはや民」、
および冴戒椎也さんや私のようなクイズ好きのボカロPなど、
ボカロガチ勢が真っ向勝負を挑むという構造になっていました。
ちなみに川上さんには、落ち着いたタイミングで一方的にファンですということを告げて
ご挨拶させて頂きました。
こういった思わぬ縁があるのもリアルイベントならではの魅力です。
※川上さんのQuizKnock寄稿記事
【曲を知らなくても解ける】『千本桜』で学ぶ雑学クイズ【ボカロ】
https://quizknock.com/senbonzakura-zatsugaku
第3ラウンド
こうして、第2ラウンドである程度絞られた人数が
シード組と合流するのが第3ラウンドです。
第3ラウンドは4つのブロックに分かれています。
第1ラウンドのペーパーテストのときに、あらかじめ希望順位を提出しており、
ペーパーの順位が高かった人が、より希望するブロックに入れる仕組みです。
Aブロック:早押しクイズ。通常問題と歌詞棒読みクイズを交互に出題
Bブロック:早押しクイズ。通常問題とイントロクイズを交互に出題
Cブロック:早押しクイズ。通常問題とラントロクイズ(曲が途中から流れる)を交互に出題
Dブロック:前半ビジュアルボードクイズ、後半早押しクイズ
各ブロックには10人が参加して、うち4人が勝ち抜けとなります。
私が選んだのはDブロックです。
先ほど述べたように、個別の曲の知識にまったく自信がなく、
特定の曲の歌詞やイントロを問うブロックでは勝ち抜くのが難しいだろうと判断し、
ビジュアル(じっくり考えられる)と通常問題で勝負できるDブロックを第一希望としました。
この選択によって強豪とぶつかるのを避けられたのは幸いでした。
特にBブロックのイントロは大人気で上位陣が殺到し、
しかもどの曲も1~2秒で即回答されるという「死のブロック」でしたので、
本当にここに配属されなくてよかったと思います。
前半:ビジュアルボードクイズ
Dブロックのビジュアルクイズは15問あり、
「このMVの曲名は何でしょう?」
「この振り付けは、何という曲の『踊ってみた』でしょう?」
「このMMDモデルは何式でしょう?」などの問題が出題されました。
面白かったのは「この山の名前は何でしょう?」という問題。
「え、ボカロで山が答えになる問題ってなんだ…!?」と、回答者がざわついた瞬間、
「霊峰ダッポー・ロック」が映し出され、会場が爆笑の渦に包まれました。
(しっかり正解させていただきました)
ビジュアルクイズが終わった段階で、上位2名はその場で準決勝進出となりました。
つまり、早押しで進出できるのは残りの2名です。
後半:早押しクイズ
ビジュアルクイズを終えて私の持ち点は5ポイントと、全体の中では比較的平凡な成績。
しかしこの早押しは1問正解すると2ポイントなので、順位が大きく変動する可能性もあります。
(15ポイントで勝ち抜け、誤答は3回休み)
※「/」は早押しボタンを押した・押された場所
【Q】「モドキ」の前につくとAyaseの、「そっくり」の前につくとしじまの、/「らしい」の前につくとユリイ・カノンの曲になる言葉は何でしょう?
【A】人間
を回答して7ポイントとしたものの、早々に1名が抜け出し、15ポイントで3抜けを果たしました。
残された枠はひとつ。
この時点で、同ブロックに入った冴戒椎也さんら数名と上位を争う状況でした。
しかしここで個人的な大ハプニングが発生しました。
【Q】2019年に発表された楽曲で、「ルマ」と言えばかいりきベアの曲ですが、「ルーマー」/と言えば誰の曲でしょう?
【A】ポリスピカデリー
こちらの問題を冴戒さんに痛恨の押し負け、頭一つ抜け出す10ポイントに到達。
私と3ポイントの差がつきました。
実はこの問題、本番が始まる前に冴戒さんと「こういう問題出そうだよねー」と
私の対策スプレッドシートをシェアしながら話していたのが、
あろうことか二人が直接争う場でそのまんま出題、華麗に正解をさらわれてしまったという出来事でした。
残りの1つの椅子を取り合ってお互い必死に戦っているので、
これが勝負の場というやつです。落ち込んでいる暇はありません。
しかしその後は、なんとか土壇場の集中力を発揮できたのか、
・「エレクトロ系の作曲やクラブではDJ’TEKINA//SOMETHINGという名義」→「ゆよゆっぺ」
・「アンサーソングの『proof of life』も切ない」→「soundless voice」
を連答して11ポイントまで積み上げました。
ここで残りの人の中ではトップに立ち、その後は相手のミスにも助けられて
そのまま規定の問題数を消化して、私が準決勝に最後の枠で滑り込みました。
まさにヒヤヒヤな戦いで、かなりの緊張感でした。
敗者復活戦
準決勝の前に、敗者復活戦がありました。
2問不正解なら失格という筆記クイズで絞り込み、その後の早押しで復活する1名を決めます。
この敗者復活の早押しクイズで、
SLAVE.V-V-Rさんの「このピアノでお前を8759632145回ぶん殴る」を
口頭で完答したプレイヤーには、惜しみない拍手が送られていました。
準決勝
どうにか辿り着けた準決勝。
敗者復活戦から勝ち上がった1名を含む17名から、ここで5名に絞られます。
第1ステップ:ボードクイズ
準決勝はさらに第1ステップと第2ステップに分かれていて、
第1ステップは問題が最後まで読まれたうえで全員一斉にボードに回答を書く形式です。
正解者数が少ないほど高ポイントが加算されます。
早押しではないだけに問題レベルも今までより一歩踏み込んだもので、
例えばryoさんのボカロ初オリジナル曲を問うもの(きみをわすれない)や、
先日クリプトンが公開した、聴いたボカロ曲をシェアし合うサービスの名前を答える問題(Kiite)などが
出題されました。
しかしここまで来た回答者も猛者揃い。
例えば絵師の「△○□×」(みわしいば)さんを答えさせる問題では
17人中17人全員正解が飛び出すという、非常にハイレベルな戦いとなりました。
どうにか答えられる問題を拾っていくも、多数正解の問題が多くなかなかポイントを稼げない。
ここで2名が直接決勝へと進出、5名が残念ながら足切りとなります。
規定の15問を終え、11ポイントで足切りラインに私を含む3人が並んだものの、
同ポイントはペーパークイズの順位の高さが有利になるルールによって救われ、
3ラウンドに続き、薄氷を踏む思いのギリギリ通過となりました。
第2ステップ:早押しクイズ
準決勝の第2ステップは6○3×の早押しクイズで、10名のうち3名が決勝進出。
こちらも問題レベルが上がる中、ガンガンみんなで早押しに突っ込んでいく展開。
「じんの楽曲『如月アテンション』のMVで、/」→「阿吽!」という凄い押しも飛び出す反面、
勇み足で×が積み上がるプレイヤーも多く、緊迫感のある戦いとなりました。
私自身は、ここのラウンドで2ポイント取ることはできたんですけれども、
残念ながら敗退となってしまいました。
答えられた問題は、「イメージカラーが虹色で、分冊で~」→「Rana」と、
第一章~第三章のサブタイトルが読み上げられたところで「Synchronicity」(ひとしずくP)の2問。
また、ハチさんの楽曲の動画を手がけた集団として
「南方研究所(みなかたけんきゅうじょ)」というチームがあるんですが、
それを正式な読み方をできずに「なんぽうけんきゅうじょ」と答えて誤答になってしまいました。
ボカロ関係者はやはり文字情報だけで接することも多く、
正式な読みを間違ってしまうことが今回は私以外にも結構いらっしゃいましたね。
決勝戦
決勝は5人による頂上決戦です。
かたや、ボカロみんはやの最強プレイヤー。
こなた、この日のために対策を積み重ねたクイズ研究会メンバー。
この大会を象徴するようなファイナリストたちが集いました。
問題は早押しクイズで、3ポイントから始まり1問正解で4ポイント獲得、不正解は-3ポイント。
39ポイントで優勝という、実質9○以上が必要なハードなラウンドで、
真の王者を決めるにふさわしいレギュレーションです。
出題も、5~6桁再生してはいるものの、これまでのラウンドよりも相対的な知名度は低い
ややマニアックな楽曲・ボカロPの出題や、
公式関連でも「初音ミクシンフォニー」の指揮者を問う問題(栗田博文さん)など、
普段からかなりボカロを追いかけていないと回答が難しいものが揃っていました。
あと「オワタPの『ボーナスステージ』」を前フリとして、私が主催したコンピレーションCD&画集『kagamination』が答えになる問題があったのは嬉しかったです。
個人的にボカロの歴史の一部になれたという思いがしています。
このラウンドでは今までの重圧から解放され、ひとりの観戦者として結末を見守りましたが、
海外ボカロメーカーとして知られる「ZERO-G」を前フリの創業者の名前だけで正解する驚愕の押しには、
長年ボカロPをやっている私も、ただステージ上の回答者を唖然と見上げるばかりでした。
優勝したのは、みんはやの最強プレイヤー「いも男爵」さんでした。
勝負が決まった問題・ウイニングアンサーはあちこちで話題になりましたが、
【Q】2013年8月20日、六本木ヒルズの森美術館で行われた企画展「LOVE展」を訪れた現在の上皇后陛下が、初音ミクに関する展示をご覧になった際におっしゃった、ネット民にとって驚きの一言は何だったでしょう?
【A】『これがミクちゃんですか』
この問題で39ポイントに到達した瞬間に、
私は溢れてくる涙を抑えることができませんでした。
2008年という(比較的)初期の頃からボカロPとして活動している人間としましては、
ボカロに関する知識を問うイベントに、私よりずっと若い多くの人が集まった挙句、
上皇后様という人物が初音ミクに関しておっしゃったことがクイズの問題になって
それで優勝が決まるという、こんなに胸が熱い事は無いじゃないですか!!!!(オタク独特の早口)
いろんなクイズ番組や動画、イベントをこれまでに体験してきましたが
まさかクイズでこんなに泣くとは思いませんでした。
総括
期待していたイベントではありましたが、
プレイヤーとしても一定の結果が残せましたし、
なにより参加者・スタッフの皆様のボカロに対する並々ならぬ情熱を感じたイベントでした。
問題集は将来のボーマスで発行されると伺っております。
クイズプレイヤーじゃなくても、問題文の前フリにP名の由来みたいな
ボカロに詳しくなる雑学知識が満載ですし、それこそ全年代の楽曲・クリエイターを網羅しているので
ボカロファンの方は発行されたら絶対に買うべきだと思っています。
今後も同じような企画をやるのは、問題を一から作り直す必要がありしばらくは難しいと思うのですが、
このイベントが終了した後も、「みんはや」ではいろんな方がボカロクイズを出し合って日々戦っています。
このような光景を見ると、「ボカロ」は数あるエンタメ・趣味のひとつの選択肢として
本当に人々の間に根付いたんだなということを実感します。
私もクイズとしての出題価値があるような活動ができるよう、
今後も様々な方面で頑張っていきたいと思っております。
優勝した「いも男爵」さん、おめでとうございます。
その他、すべての参加者、主催のきぐなさん・ぽんずさんをはじめとするスタッフの皆様に感謝を。
素晴らしいイベントをありがとうございました。
著者「アンメルツP」について
アンメルツP(gcmstyle / 安溶二)
ボカロP。鏡音リン・レンなどのVOCALOID(広義)を歌わせたオリジナル曲・カバー曲を2008年から作り続けています。代表作にゲーム『プロジェクトセカイ』収録の高難易度曲「人生」、著書に『ボカロビギナーズ!ボカロでDTM入門 第二版』(インプレス)など。
音楽ジャンルに関係なく、キャラクター性を活かしたボカロ曲を制作しています。
楽曲ストリーミング配信、カラオケ配信(JOYSOUND/DAM)多数。