Google Play MusicからYouTube Musicに手持ちの音楽を移行してみた
目次
はじめに
こんにちは、アンメルツPです。
このブログでは以前より「Google Play Musicを使っている理由」という記事を
更新しながら公開してきました。
【2019年9月追記】ボカロPの筆者が「Google Play Music」を使い続けている理由【レビュー】 | G.C.M Records
https://www.gcmstyle.com/review-google-play-music/
Google Play Musicを気に入っている理由としては、
・手持ちの曲を5万曲まで登録できるロッカー機能が便利
・プレイリスト提示の方向性が細分化されていて好き
というところで以前より使い続けてきたのですが、
ついにこのGoogle Play Musicが2020年中に終了することが正式にアナウンスされました。
YouTube Japan Blog: Google Play Music ライブラリから YouTube Music への移行が簡単に
https://youtube-jp.googleblog.com/2020/05/google-play-music-youtube-music.html
今回はそれに伴い、Google Play Music から YouTube Music への移行機能を使ってみましたので、
その話をしていきます。
※以下はYouTube PremiumかGoogle Play Musicに課金しているという前提で話を進めます。
解消されつつあるGoogle Play Musicとの差
だいぶ前からGoogle Play Musicが終わり、YouTube Musicに統合される話自体は聞いていたので
終わるならしょうがないというところで、YouTube Music に乗り換える準備は少しずつ前から始めていました。
今年(2020年)の配信曲はすべてYouTube Music側で聴いたり高評価をつけたりして管理していき、
Google Play Musicからの卒業に備えていきました。
この間、最初YouTube Musicに抱いていた不満点も少しずつ解消していきました。
ひとつめは、Google Play Music の利点として上げた「ロッカー機能」が、
「音楽のアップロード」という形でYouTube Musicにも受け継がれた点です。
アップロード容量は最大10万曲へと増えており、
(私はGalaxyとのコラボキャンペーンによりGoogle Play Musicで10万曲上げられるようになっていましたが)
わりと本気で移行を促しに来ている雰囲気を感じます。
そしてもう一つのプレイリストの良さですが、
これも似たような内容が「探索>ムードとジャンル」で見つかります。
また、YouTube Musicならではの強力なところは、
なんといってもYouTubeの再生リストと機能が統合されていることですね。
ボカロのヒット曲を探したい場合は、YouTube Musicの配信対象ではなくても
YouTubeに上がっているものも(一部)表示されるため、差を意識することがありません。
YouTube Musicは、「音楽配信(ストリーミング)サービス」でありながら、
同時にYouTubeという「動画投稿サイト」であるという、両方の機能を兼ね備えており、
他のストリーミングサイトに決して真似できないアドバンテージを有した存在であるといえます。
さらに、Google Play Musicの不満点だった
「ボカロ曲のアルバム配信が少ない」(KARENTの配信対象ではなかったので)という点についても、
YouTube MusicはKARENTの配信対象となっているらしく、
私アンメルツPの配信作品はじめ、数多くのアルバム楽曲が聴けるようになっています。
※「らしく」としか書けないのは、執筆時点で公式サイトに告知が見当たらないからです…w
また、タイトル・アーティスト名は英語表記となるようです。
YouTube MusicでアンメルツPの楽曲を聴くにはこちら↓
https://music.youtube.com/channel/UCzssLJgfqctuBy1WZ2nTvfw
動作の重さや細かい挙動にまだ不満はあるものの、
これならGoogle Play Musicから卒業できるようなクオリティになっているかと思い、
ライブラリーの移行ツールを使うことにした次第です。
移行方法について
移行方法としては、それほど難しくはありません。
移行手続きが行えるURLにアクセスして、粛々と手続きを進める流れになります。
YouTube Music
https://music.youtube.com/transfer
手続きのURLは上記となります。
現在徐々に移行体制を進めているようで、人によっては準備中になっている場合があります。
「準備中」などと表示されていたら、数日空けてまたアクセスすると
トランスファーができるようになっているかもしれません。
ブランドアカウントでは移行できない
ひとつ注意点として、この移行手続きは、ブランドアカウントではできません。
ブランドアカウントにログインした状態で上記URLにアクセスすると、
「転送を続けるには YouTube アカウントを切り替えてください」と怒られてしまいます。
そのため、YouTubeに動画を上げて活動しており、
普段からブランドアカウントを利用して日常的に音楽を聴いているという、
YouTuberやミュージシャン、ボカロPなどの方がいらっしゃったら少し注意が必要です。
「ブランドアカウント」とは、個人のYouTubeアカウントにプラスして別に
「なんちゃらチャンネル」のような感じで作れる、YouTubeのためのサブアカウントを言います。
YouTube Music上でも個人のアカウントとブランドアカウントを切り替えて使えます。
ただ、どうもYouTube(Google)の設計思想としては、ブランドアカウントでオフィシャルな活動を行って
個人アカウントではプライベートな音楽を聴きます、という行動を想定しているようです。
ところが、このような行動を取ろうとして、同じPCのブラウザでアカウントを切り替えようとすると、
YouTube MusicとYouTubeのアカウントが一緒に切り替わってしまいます。
ここが面倒で、どうにかならないかと思っているYouTube Musicの不満の部分です。
そのため、普段から私は Firefox で YouTube Musicを開いて音楽を聴き、
YouTubeはGoogle Chromeで見ています。
ちなみにスマホ(私の場合Android)だとYouTubeとYouTube Musicでアプリが分かれているため、
このようなややこしいことは起こらないようにはなっています。
音楽視聴にあたり、まったく別のYouTubeアカウントを使う方法も考えましたが、
YouTube Premiumの契約は1アカウント単位となりますので、現実的には難しいという結論に至りました。
移行手続き(ボタンを押すだけ)
気を取り直して、個人のアカウントでアクセスすると、
移行可能な状態である場合には、「Google Play Music アカウントの移行」という文字と、
Google Play Musicで持っているジャケットが表示されます。
移行対象はこの4つです。
・おすすめの音楽
・プレイリストとステーション(再生リストに統合されます)
・高評価と低評価の曲
・アップロードした曲(ロッカー機能)と購入した曲
また、Google Play Musicに課金している場合は、
ここでYouTube Musicへの課金(YouTube Music Premium)に移行します。
なおややこしいですが、
YouTube Music Premium(月額980円)とYouTube Premium(月額1,180円)は別物なので注意が必要です。
200円上乗せとなるYouTube Premiumだと、YouTube Musicだけでなく、YouTubeそのものも
広告無しで再生できたり、バックグラウンド再生ができるようになります。
利用規約やプライバシーポリシーを見て同意できるのであれば、
「移行を開始」というボタンをクリックします。
すると即座にこのような画面が現れ、移行作業が始まります。
「ライブラリの移行には長い時間がかかることがあります」と表示されますが、
引き続きYouTube Music自体は利用でき、バックグラウンドで移行が進行していくという具合です。
「音楽をチェック」をクリックすると、YouTube Musicの画面に戻ります。
移行がある程度進んだ段階で戻ると、「Google Play Music ライブラリより」という項目が
出現することがあり、同サービスに入っていた曲や再生リストが移行の途中でも楽しめます。
また、ライブラリの各項目を見ていきますと、アルバムや曲などの各項目が
「YouTube Music」と「アップロード」に分かれていることがわかります。
高評価した曲の自動のプレイリストを見たところ、
以下の三つが分け隔てなく再生リストに並ぶという理想の結果となっております。
・先ほど追加した手持ちの楽曲
・(従来どおり)YouTube Musicで配信されている曲
・(従来どおり)YouTube動画の高評価 ※リストに並ぶものと並ばないものがあります
移行中、画面上部には「ライブラリー以降の進行状況を確認する」という注意情報が表示されます。
インフォメーションの丸いアイコンを押すと、先ほどのライブラリ移行画面に戻り、
現在の進捗状況が確認できます。
「何曲中何曲完了」という具体的なパーセンテージでの進捗が表示されないのはもどかしいところですね。
移行時間の目安
移行が完了すると、このような画面になり、
また同時に、移行完了の旨のメールがYouTube Musicから届くようになっております。
私の場合、ロッカーに6万曲ほどの曲が登録されている状態で、丸2日ほどかかりました。
もっと曲が少ないならばより速く終わるかと思われます。
移行に失敗した曲がもしあれば、メールの本文の中で通知されるようになっています。
ちなみに私の場合失敗した曲は2曲だけなので、ほとんどの人には問題ないことでしょう。
YouTube Musicの音楽アップロード機能とは
曲のアップロード機能に関して、Google Play Music では専用のPCアプリ「Music Manager」があり、
Windows10の「ミュージック」など、音楽の入っているフォルダを指定することによって
そのフォルダーに追加された曲を自動的にアップロードしてくれるという非常に便利な機能がありました。
しかし、YouTube Music においてはまだそういったアプリはないようです。
音楽をアップロードする – YouTube Music ヘルプ
https://support.google.com/youtubemusic/answer/9716522?hl=ja
音楽のアップロード手段としては、
YouTube Musicのメニューから「音楽をアップロード」という項目をクリックしてアップするファイルを選ぶか、
YouTube Musicの画面に直接ドラッグ&ドロップをするというシンプルなものとなっております。
Google Play MusicのPCアプリは便利でしたが、ウイルス対策ソフトをインストールしていると
ファイアウォールが働いてアップできないという現象もよくあったので、
まあこちらのほうがわかりやすいと言えばわかりやすいかもしれません。
アップできるファイルは、mp3、m4a、pgg、flac、wmaとなっております。
CDを取り込むたびに手動でファイルを追加しなければならないのは非常に面倒ですが、
それでもドラッグ&ドロップなので一応最低限の動作では済みます。
また全体として何曲アップしたのかという数字がわからなかったり、
アップロードした音楽を別のPCにダウンロードできない点にも不満が残ります。
(スマホでは、キャッシュという形で音楽を一時保存して、通信なしにオフライン再生することは可能)
おわりに
無事に手持ちの音源はこれからも YouTube Music で自由に楽しめるようようで
ひとまず安心しました。
Google Play Musicよりも全体的にシンプルになりましたが、突っ込みどころや不満もいくつかあります。
とはいえ、ストリーミングサイトと動画投稿サイトを兼ね備えたYouTube Musicという存在は
ほかに代え難いものだとは思います。
ほとんどの曲がYouTubeに真っ先にアップされ、ストリーミング配信曲も充実してきた世の中ではありますが、
同人アルバムなど、CDやダウンロードでしか聴けない曲も一部あるにはあるので、
そういった曲を統合して聴ける仕組みは非常に助かります。
Google Play Musicの終了は残念ですが、
今後はYouTube Musicの機能がさらに強化され、使いやすく動作も軽くなることを願いましょう。
著者「アンメルツP」について
アンメルツP(gcmstyle / 安溶二)
ボカロP。鏡音リン・レンなどのVOCALOID(広義)を歌わせたオリジナル曲・カバー曲を2008年から作り続けています。代表作にゲーム『プロジェクトセカイ』収録の高難易度曲「人生」、著書に『ボカロビギナーズ!ボカロでDTM入門 第二版』(インプレス)など。
音楽ジャンルに関係なく、キャラクター性を活かしたボカロ曲を制作しています。
楽曲ストリーミング配信、カラオケ配信(JOYSOUND/DAM)多数。