「スケッチブック・セイレーン」動画をアップしました | G.C.M Records

「スケッチブック・セイレーン」動画をアップしました

新譜『My Partners』より、
「スケッチブック・セイレーン」の動画投稿を行いました。

この曲は、sezuさんの小説『リンちゃんなう!SSs』 に収録されている
お話「転校してきた鏡音さんの歌声を独り占めしたい。」の
二次創作として作った楽曲です。

【ストーリー】

小説本編のその後の話を、想像して作ったものです。

みんなと仲直りした鏡音さんは、その後も歌の練習を重ねて、
ついに、人前で歌えるまで能力を制御できるようになりました。

そして、リリィ先輩率いるバンド「セイレーン」のライブで
シークレットゲストとして登場することになった鏡音さん。
友達やバンドメンバーと一緒に作り上げた、渾身の歌を歌います。

「――私のことを綴った歌です。大切に、聴いてください」

 

【曲調】

「リンちゃんなう!」と同じBPM200で作るというのと、
セイレーンのライブでの記述「激しく歪んだ楽器のサウンド」「重低音」から
高速のロックサウンドにすることは事前に決めていました。

最初はラップつきの高速ボカロック路線を目指していたのですが
作っていくうちに、DragonForceっぽいパワーメタルになりました。
とにかくベタに、ストレートに、ドラマチックにメッセージを伝える。
そういう曲作りが自分は好きなんだなあと改めて実感しました。

「高校生でこんな超速ツーバスや速弾きギターできる奴いねえよ!」
というツッコミは受け付けません。

歌詞はサビの「燃やし尽くして」をはじめ、
ところどころ小説のセリフや記述から引用させて頂きました。
機会があればネタバレ解説も書くかも。

ちなみに、イントロとAメロのコード進行の仕方は
「リンちゃんなう!」のサビ(?)と完全に同じなので、
イントロ部分で「リンちゃんなう!」のサビがそのまま歌えます。

 

【どうしてこうなった】

ボカロ曲から小説を作るのであれば、逆にボカロ小説から
曲を生み出しても面白いのではという単純な発想です。

この話は『リンちゃんなう!SSs』の中で一番好きなストーリーで、
しかも、リン、GUMI、Lily、がくぽ、BIG-ALと、
小説でキーになっている登場ボカロを持っていたので
これは自分がやるしかないと。

このツイートのフラグを回収した形ですね。

元々ニコニコには「VOCALOID小説派生曲」というタグができるほど、
既存の小説やライトノベルからインスピレーションを
受けて作られた楽曲がたくさん存在します。(現在150曲ほど)
有名なものでは、sasakure.UKさんの「タイガーランペイジ」(元ネタ:山月記)などがあります。

だから、別にボカロ小説が元の派生曲があっても
やってることは何も変わらないのかなと思いました。
そもそも元をたどれば、楽曲「リンちゃんなう!」は
sezuさんのツイート(=文章)から生まれたわけですしね。

今までこういうアプローチの作品があまりなかったのは
おそらく他のボカロPがボカロ小説をあまり読んでいない
ためだと推測しています…w
まあ、普通は自らの世界観でオリジナル曲作りますからねえ。

「商業小説という正解が出ることで、二次創作が萎縮するのでは?」の
反証例を出したかったという思いもあります。
(まあ、これはカゲプロがとっくに反証例になってる気もしますが…
 ここを深く考え出すとコラム一本書けそうな内容ですね)

『リンちゃんなう!SSs』の場合は、
各章が独立したショートストーリーになっているので
そういう意味では作りやすかったです。

ちなみにこの小説、ボカロ小説と呼ばれるものの中で
「ボーカロイドという存在をテーマの中核に置いている、
 ある意味正しく『ボカロ小説』をしている小説」だと思っています。
なので「ネタ曲を小説化する意味あるの?」なんて
疑問に思っている人にこそ読んで欲しい小説ですね。

 

 ※一応、sezuさんをはじめとする関係者の確認は頂きましたが
 あくまでこの曲・動画は二次創作のひとつであり、
 小説の「正しい解釈」を表すものではないという
 ことは書いておきます。

 

【次回予告】

次の曲は、前にブログに書いたカゲプロ楽曲のカバーになりそうです。

連続で二次創作となりますが、ボカロの面白さを伝えるには
必ずしもオリジナル曲である必要はないと考えています。
普段の何倍も調声に手間をかけた作品になりましたので
こちらもぜひ公開したら聴いて頂けると嬉しいです。

歌詞

「スケッチブック・セイレーン」
作詞/作曲/編曲:アンメルツP
歌:鏡音リン

「スケッチブック・セイレーン」

作詞・作曲・編曲:アンメルツP
原典:小説『リンちゃんなう!SSs』(著:sezu)内「転校してきた鏡音さんの歌声を独り占めしたい。」

歌うことで目覚め出した 心を支配する声
制御できないままに わけもわからずちやほやされ

恐れと妬み渦巻いて 壊れてゆく幸せ
スケッチブック抱え 逃げ続けたあの日のわたし

閉ざされた未来の 扉を開くカードキー
灰色の 心を持った 君と二人で 何度も何度も
本当の言葉 投げてぶつけた 放課後

生まれ持ったものに 引け目は持たなくてもいい
たくさんの仲間が そうわたしに気づかせてくれた

今は この生命 燃やし尽くして
歌えることの喜び 噛み締めて今日を生きている
書き換えた 終わりへのログ
生まれ変わったんだ みんなに 出会えてよかった

誰も傷つけないように 心に殺した秘密
打ち明けることできず 時は過ぎ、事は深刻に

変わり果てた友の姿 すべてが嫌になって
スーツケースを抱え 足跡消そうとしたわたし

悪者などいない お互い支えていけばいい
ホームから 心が通う 君が本気で 何度も何度も
声を枯らして 叫ぶ名前が きこえた

In emergency, We will live in harmony
つらい思い 引きずるのは もうこれで 最後にしよう

持った 運命を 燃やし尽くして
今できることすべてを 魂を込めて届けよう
この声は 旅人たちを 惑わすのではなく
導く 羅針盤でありたい

閉ざされた未来と 一人きりで戦ってた
わたしはもういない
生まれ持ったものを 錆びつかせたくはないから
これからも歌う

今は この生命 燃やし尽くして
歌えることの喜び 噛み締めて今日を生きている
この声は 旅人たちを 惑わすのではなく
導く 羅針盤でありたい

この場所で ずっと一緒に…

さあ 書き換えよう 終わりへのログ

出会えてよかった

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著者「アンメルツP」について

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