よみぃさんとのコラボ曲。鏡音リン・レンが歌う渾身のバラード「輪連螺旋理論」公開中! | G.C.M Records

よみぃさんとのコラボ曲。鏡音リン・レンが歌う渾身のバラード「輪連螺旋理論」公開中!

はじめに

第3回プロセカULTIMATE応募楽曲となるアンメルツPの新曲「輪連螺旋理論」
2025年2月27日に公開しました。

17年間のボカロP活動のすべてを込めた、とんでもなく気合の入った作品です。

残念ながら「人生」以来のプロセカULTIMATE採用とはなりませんでしたが、
2月の公開以来、すでに3万人近い方々に
鏡音リン・レンとピアノを通じて私の想いをお届けできたことを深く感謝しています

2025年の私を象徴する作品として大事にしていきます。

鏡音と音ゲーの歴史に刻む、心からの想いをバラードで。
YouTubeやニコニコ動画で、ぜひチェックしてみてください。

輪連螺旋理論/鏡音リン・レン by gcmstyle(アンメルツP×よみぃ【第3回プロセカULTIMATE応募楽曲】 (RinLen Spiral Theory)

クレジット

■作詞曲・編曲(ピアノ以外)・調声:gcmstyle(アンメルツP)
https://www.gcmstyle.com/
https://x.com/gcmstyle

■ピアノ編曲:よみぃ ‪@WoooRen1006‬
https://yomii-piano.com/
https://x.com/431tv

■イラスト:mikuma
https://x.com/3kMA7

■動画:三重の人 ‪@mienohito_0510‬

■タイトルロゴ制作:猫凪みさお

■ミックス・マスタリング:小泉こいた。貴裕(SoundWorksK) ‪@SoundWorksK‬

■歌
鏡音リン
鏡音レン

タイトルについて

いま私が鏡音で表現したい全てはこの曲にあります。
だから、覚悟を持って「輪」「連」のことばを使いました。

「輪」「連」は、私と私を信じてくれた人たちにとって特別なキーワード。
特に「人生」以前から私を知っている方はご存知のことかと思います。

kagamination2セットサンプル

軽々しく使えない言葉だとは、私自身が一番わかっています。
しかし同時に、このキーワードを一番輝かせられるのも私だと信じています

『kagamination2』『輪響』『連昂』、そして2008年からの歩みで、
無数の方々のさまざまな鏡音リン・レンへの愛に触れました。

その想いを100年先に伝えたい。
でも現実を見ると様々な課題もあり、なかなかボカロPとして進むのが大変でした。

そこを救ったのが「人生」です。

いま私は、一度は終わるはずだったボカロPとしての人生の延長線上にいます。

「歴史」を歩み、「人生」でつないだ新たな縁と未来。
いま私が「鏡音リン・レン」で表現したいことすべてがここにある
そう心から思える曲がここに完成しました。

そのため、覚悟を持ってこのタイトルをつけました

古くから私を知る人にも、新たに出会う人にも、『輪』『連』という大切なキーワードを通じ、
鏡音と支えてくれた皆さんへのありがとうの想いを届けたい。

どうか、その想いに触れてみてください。

なお、制作初期の仮タイトルは「輪連二重螺旋」でしたが、
初音ミク公式chに上がったリン曲とタイトルがかぶったので、変更して今に至ります。

楽曲について

「人生」「完全数」もそうですが、ULTIMATEにおいては
単なる「音ゲーにした時に難易度が高くなるコンテストへの参加曲」という以上の
何かクソデカ感情が入っているモノにしたいという思いが毎回あり、今回もそんな感じです。
(ゆえに1年に1度作るのが限界)

ちなみに私のプロセカULTIMATEに対するクソデカ感情の正体の一部は、
文章としてこちらの本に「『プロセカULTIMATE』から探る、現代の音ゲーとボカロの関係」
というタイトルで去年寄稿しています。
興味のある方はぜひご覧ください。

合成音声音楽の世界2023 | Stripeless
stripeless.booth.pm/items/5665757

以下、テーマごとに楽曲を解説していきます。

楽曲制作のきっかけ

これまで私は「プロセカULTIMATE」に2作品応募してきましたが、
今回はこれまでとは異なるアプローチを試みようと思ったのが制作のきっかけです。

1回目の応募ではバーチャル・シンガー6人による「人生」で挑戦し、幸運にも採用されました。
2回目はそれをより先鋭化させた「完全数」で挑みましたが、惜しくも採用には至りませんでした。

この間、プロセカにはさまざまな変化があり、特に難易度「Append」の新設が印象的です。
「人生」は例外的にMaster譜面でも3本指以上を必要としましたが、
Appendにより3本指以上の譜面が数多く作られるようになり、ゲーム性も進化しました。

こうした背景から、第1回・第2回とは異なる挑戦をしようと考えました
そこで、鏡音リン・レンをメインに据えた楽曲制作を決意。

「人生」でひとつの夢を実現した私にとって、昔から使い続けてきた鏡音で大ヒット曲を作る
(今までも中ヒットはあったし、コアな鏡音ファンには届けられているとは思っているけど、
一回ちゃんと公式に関わるような大きなことをやる)ことは残された課題でした。

そんなことを思って、昨年『人生日誌』というアルバムをリリースした後は
しばらく鏡音をメインに据える方針を固めていたため、今回の曲も自然とその流れになりました。

また、去年バーチャル・シンガー6人が1パッケージに収録された「Piapro Studio SUPER PACK」
が発表されました。
これにより6人での楽曲制作が簡単になった一方で、
6人を揃えるというかつての私の強みが薄れたのも、今回は鏡音リン・レンで行く理由のひとつでした。
(今回のプロセカULTIMATEでは6人曲は見られませんでしたが…)

曲の方向性とアプローチ

プロセカULTIMATEに限らずコンテストに応募したりコンピに参加するときは、
毎回メインストリームとは異なる軸で勝負できる、
何らかの差別化ポイント・コンセプトを入れたい
と思っています。
「人生」は6人曲というコンセプトが見事にハマった例ですね。

その中で、今回はバラードを作るという結論に至りました。

バラードは昔からそれなりに制作してきており、「鏡音バラードコンピ」も出したくらい
愛着がある音楽ジャンルのひとつです。
動画サイトでは評価されにくいのかもしれませんが、
100年残るようなスタンダードな曲を作りたいというのは昔からずっと思ってやってきたことです。

次に、バラードにボス曲としての威厳や壮大さを持たせるにはどうすればいいかと考えました。
プロセカ以外の音ゲーでは、高速なボス曲の中にもひときわ目立つピアノメインの曲が
あったりもします。
そこで、クラシックなテイストを取り入れた壮大なオーケストラ楽曲作りにチャレンジしようと
思いました。

ただし、私は音楽大学出身というわけではなく、
クラシック音楽の専門教育を受けたわけではありません。
そこで、ピアノ編曲を他の人に依頼するという道を選びました。

幸運な縁があり、ピアニストであり音ゲーマーでもあるよみぃさんに
ピアノ編曲をお願いしました。

バラードで高難易度を両立させるため、
「Aメロは多指のホールドを意識したアルペジオで」
「『螺旋のごとく』で激しい螺旋階段のようなフレーズを意識」
など、
細かく依頼を出しています。

DDRの某高難易度曲のようにストリングスも細かく派手にする道もあったと思いますが、
今回は「ピアノバラード」として難しさをピアノにすべて引き受けさせることにしました。

よみぃさんには上記の依頼を出して細かいフレーズは完全にお任せしましたが、
私が用意したボーカルやストリングスと完璧に調和し、
時にはそれを超えるような生き生きとしたピアノを弾いていただきました。
よみぃさんの才能と寄り添う力には本当に驚かされました。

歌詞について(全体)

歌詞については、『kagamination2』と「人生」を経た私が、
2021年からの3年間をまとめたような内容になりました。

歌詞の一部には「人生」でのやり方と同じように、過去の楽曲を匂わせるモチーフ
散りばめられています。

「がようし」は「スピードメーター・ノスタルジー」
「ときめき」は「ボクのココロときめくほうへ」
大きな歴史の流れから鏡音リン・レンを見出すのは「kagamination HISTORY」といった具合です。

また、冒頭の「儚く散った彗星」は、「人生」の「いつか星に還る」とリンクしています。
「星に還った人がいて、みんなが泣いた。残された人はどうするのか?
―― そこに鏡音がいて、あなたの想いは受け継がれるよ」というテーマですね。


1番の歌詞では、すでに亡くなってしまったボカロPやクリエイターたちの想いが、
作品が与える感動を通じて生き続け、次の世代に受け継がれる流れを遺伝子に例えました。

これらは他のボーカロイドでも扱えるテーマではありますが、特に鏡音に託した理由は、
女性声男性声の2人がいることで、人間関係を含むあらゆる感情を表現できる点にあります。


2番の歌詞では、1番とは少し異なり、一度諦めた想いを次の世代が受け継ぐというテーマを
扱っています。

実はこの曲を完成させた後で劇場版「プロセカ」を見たのですが、
そこで描かれていたのが「諦めてしまった想いを、新しい想いに繋げる」という
ほぼ一致したテーマだったので、方向性としては間違っていないことを確信しました。

一度は諦めたり、数百再生で埋もれてしまった曲が誰かに見つけられ、新たな命を吹き込まれる。
そんなシーンを想像しながら作りました。

私は「どの人間にもそれに合う人がいる」という哲学を持っています。
それは「RINLENMANIA」シリーズの制作を通じて思ったことです。
それをサポートするのが鏡音リン・レンだと感じています。

歌詞について(細部)

・曲の舞台は真夜中から始まり、黎明の光が差して朝になる時間の流れを意識しています。

・1番のBメロにある「可能性」は、私のチャンネル名にも使っている象徴的な言葉です。

・1番のサビ「時を重ね産声はより高らかに」は、
 先人の知識が積み重なることで新人ボカロPの曲が最初から高いレベルになり、
 それが繰り返されて世界中を歌声が包むというビジョンを描いています。

・2番Bメロ「いぶきを焚べるから」は、生命の息吹を意味し、
 しまい込まれた五線譜に命を込めて次世代に受け継ぐという想いを込めました。
 また、「いぶき」をひらがなにすることで「武器を焚べる」という隠しメッセージ
 忍ばせています。歌は合法的な武器であり、美しい音楽で世の中が溢れればいいなという
 願い
を込めています。

・間奏の「歌はヒトの写し鏡」というフレーズは、どうしても「鏡」という言葉を
 使いたかったからです。

「セントラルドグマ」(中心的な教義)は生命の基本法則を指す生物用語で、
 人が生きて死ぬという逃れられない法則の中でも、
 歌があれば知識や感情を後世に伝えていけることを示しています。

「朝を呼ぶように歌う」は、ボカロの開発で「朝(ASA)」が最初の言葉だったとされる
 エピソードに由来しています。新しい時代の幕開けとそれを紡ぐにあたる苦労の象徴です。

「テロメア」は寿命を形作るDNAの要素で、寿命を超えて
 明るい夜明けを目指す想いを込めました。

・間奏明けのラストサビの最初「輪になり連なる想い」でタイトルを回収し、
 過去に生きたクリエイターたちの魂と共に今を生き、
 これからも鏡音とともに歌いつなぐ
という強い思いを込めました。

・どっちかというとこの曲で描いているのは、
 「人は何度でも甦る」という輪廻転生というよりは、
 「人はいなくなっても想いは受け継がれ、みんなの元に宿って永遠に生き続ける」
 というイメージに近いです。

作曲や調声について

6/8拍子でゆったりとしつつも、激しいフレーズが印象的な展開を目指しました。

Bメロ部分は、歪みをかけた複雑なドラムのフレーズを強調しました。
音ゲー化したときの難易度を上げるとともに、
カオスや終焉の中から新しく生まれるような感覚を表現しようとしています。

普段はシンプルなコード進行を使うことが多いですが、
今回はドラマチックなコードを意識しています。


鏡音の声は「鏡音リンV4X Warm」と「鏡音レンV4X Serious」をメインに使用し、
繊細で心に響く声を目指して調声を重ねました。

元気な鏡音に慣れた人には新鮮かもしれませんが、
この優しく温かいリンと切なく語りかけるレンの組み合わせは無敵だと感じています。

最後の力強い部分ではクロスシンセシスにより、
「Power」ライブラリを90%程度混ぜた声にしています。
Powerをベースにして、それにWarmやSeriousを10%程度加えた声とは
また違った声の響きがあったりするのが面白いところです。
前者はベースとなっている優しい声の感覚はわずかに残しつつ、
力強い歌声を響かせるようなイメージになります。

あまり知られていないテクニックとして、ジェンダーファクター(GEN)を
曲中で細かく揺らしています。

声の幼さを決めるパラメータで、普通は曲を通して一定に保つことが多いですが、
バラードでは喉から声を出したい時と抜きたい時があるため、細かく調整しました。

ちなみに、過去のカバー曲「アヤノの幸福理論」(MEIKO)や
「美しい名前」(鏡音レン)などのバラードでも同様の手法を使っています。

また、コーラスはV4XのほかにAct1もいます。

曲に込めた、とても個人的なこと

昨年、私が好きなカードゲーム(MTG)配信者のトスカさんが突然亡くなりました。
おそらく30代~40代、私と同世代くらいの方だったと思います。

ボカロPや知人の訃報も辛いものがありますが、
直接面識のない方の死としては近年一番ショックを受けた出来事です。

週に何度も配信されていて、夜はその人の配信を見るのが楽しみでした。
別名義でコメントしたり対戦したりもしていましたが、ある日突然いなくなり、
毎日の楽しみが失われたことに大きな衝撃を受けました。

何より氏に惹かれたのは、ゲームに勝つこと以上に、
楽しいコンボデッキを作ったり、対戦した人のデッキの良さを盛り上げる解説をしたり。
まさに「カードゲームの可能性」を大切にしていた方だったので、
その喪失は本当に大きいものでした。

トスカさんの死は生活の一部が消えたような感覚で、
カードゲーム自体が一時期楽しめなくなるほどでした。

しかし、その後、彼のファンの一人が「勝つだけではない楽しさを伝えたい」というコンセプトで
新たに配信を始めているのを目にしました。

ボカロ以外のシーンでも、
慕われていた人がいなくなっても、その想いを引き継ぐ人が現れることを見て、
私もボカロPとして誰かの想いを引き継ぎたい、そして自分の想いも誰かに受け継いでほしいと改めて強く思いました。

この一連の出来事が、今回の歌詞に大きな影響を与えています。


また、上で「儚く散った彗星」は「人生」の「いつか星に還る」とリンクしている――と書きましたが、
実はほのかに「いつかはやってくるだろう終わり」を意識したつもりです。

遠い将来、例えプロセカというゲームが終わっても、
そして鏡音リン・レンという存在が忘れられても、あなたがいまボカロ曲を通して思った体験や
感じたことは「本物」としてずっと心の奥に残り続ける。
そして、あなた自身がその想いを伝え続けるためにきっと何かを作り上げてくれるに違いない。

そんな祈りを込めた楽曲が、今回の「輪連螺旋理論」です。

今回のプロセカULTIMATEでは、たまたま縁がなくて選ばれませんでした。
しかし、2025年の私自身を表現した曲として、これからも大事に育てていきたいと思っています。

今後も見守っていただければ幸いです。

音ゲーや初音ミクシンフォニーなどのオファーも待ってます!!!

歌詞

「輪連螺旋理論」

作詞/作曲/編曲(ピアノ以外):アンメルツP
ピアノ編曲:よみぃ
歌:鏡音リン・レン

儚く散った彗星たちが
数多の涙を降らせた
原石のような光たちを
そっと拾い上げて磨き出した

声を合わせ支え続ける
物語の果てへ歌を 《歌ならば超えていける》
可能性を 明日の標を 錆びつかせないように
あなたの遺した祈りのメロディ

希望を宿した種火となり生きて 《種火点け》
うたかたな生命(いのち)の鼓動は螺旋のごとく響き合う
時を重ね産声はより高らかに 《重ねてより遠く》
世界を揺らすだろう

しまい込まれた五線譜たちの
埃を取り払ってみた
幼き瞳(め)に映る憧れは
がようしをまぶしい夢で満たす

祝うように 慈しむように
ほつれたページ直してく 《虹の色を書き加え》
遠い空へ 終わりの先へ
いぶきを焚(く)べるから

あなたの残すこれからの足跡
忘れさせはしない、この声有る限り 《声枯らし》
螺旋の理(ことわり)に抱(いだ)かれ
心は永久(とこしえ)の熱を
さあ悲劇も 争いも 闇も超えて 《すべてを包み込む》
再生の鈴鳴らそう

渦巻くときめきの中で
景色は移ろい続ける
瞬きをやめた体は
新たな芽吹きの礎

巡るセントラルドグマは
逃れ得ぬ時を廻して
無限のカノンの向こうで
夜明けを切に求めてる

<レン>
歌はヒトの写し鏡
遥か古(いにしえ)の言葉も
刹那に散りゆくうねりも
組み込む遺伝子のコアへ

<リン>
僕らはあなたを歌うよ
誠(まこと)を残さず歌うよ
力尽きてなお歌うよ
朝を呼ぶように歌うよ

八百万のハーモニーは
やがて大樹を根付かせる
ほら見て、テロメアの奥に
空を染めていく光を

輪になり連なる想いを
魂と共に生命(いのち)の旋律に 《生命疾(と)し》
黎明が彩るステージ
奇跡の産まれるゆりかご
過去の記憶、現在(いま)の夢、永遠(とわ)の願い 《歴史から未来へと》
すべてを歌い紡ごう
すべてを歌い繋ごう

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著者「アンメルツP」について

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