プロセカULTIMATE「人生」採用決定!応援ありがとうございました!
【2023/6/1追記】いよいよ実装されます!対戦よろしくお願いします。
目次
はじめに
こんにちは、ボカロPのgcmstyle(アンメルツP)です。
このたび、私の楽曲「人生」が、
ゲーム『プロジェクトセカイ』に収録される超高難易度楽曲(いわゆるボス曲)を募集する
「プロセカULTIMATE」企画の採用曲として選ばれました!!!
応援頂いた皆様、本当にありがとうございます!!
💥超高難易度楽曲コンテスト
— プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク【プロセカ】 (@pj_sekai) August 30, 2022
プロセカULTIMATE🎶
今回採用された作品の3曲目は
gcmstyle(アンメルツP)(@gcmstyle)さんの「人生」です🎉
YouTube▶️https://t.co/oWIhtlDkyo
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📺番組生配信中:https://t.co/S2ZRRo5gsz#プロセカ生放送 pic.twitter.com/NnCa5ShDhX
実装は公式サイトによると2023年6月と、まだかなり先のことになりそうで、
非常に高難易度となることが予想されますが
楽 し み に ぜひお待ちください。
人生/ミクリンレンルカMEIKOKAITOボスラッシュ by アンメルツP【プロセカULTIMATE応募楽曲】 (JINSEI [Our Life])
なぜ採用されたか自己分析
採用にあたっては、このようなコメントを頂いております。
バーチャル・シンガー6人の曲だった
自分なりに選ばれた理由を考察すると、まず第一に6人の曲だったというのはあるでしょう。
最大で3曲の採用枠がある一方、バーチャル・シンガー(ボカロ)は6人ゲームに登場します。
ボス曲という、ある意味でゲームの顔になるような楽曲を選ぶにあたって
私のような6人で歌う作品を収録する理由ができていたのだと思います。
「作品というより解決策を作った」というと安っぽいコンサルタントみたいですが、
実際そういうことであり、募集意図とハマる要素があったのではないでしょうか。
音ゲーのボスになるためだけに作った曲だった
あとはとにかく「ボス曲」を意識して、
音ゲーのボスになるためだけに作った曲だったのが良かったのかなと思います。
募集要項の「レベル33〜36の曲」の例として「六兆年と一夜物語」「初音ミクの消失」が
挙げられていましたが、この二曲とも尋常ではないくらい手数の多い曲です。
「そういう曲を作ってくれ」ということは、
文字通り普通ではないULTIMATEな曲が求められていたと思います。
音ゲーの曲には一種のカリスマ性も求められていると思うのですが、
実際にプロセカや他の音ゲーの大会を動画で見て、
そこでかかるシーンを明確に思い浮かべながら曲を作ったのが良かったかなと思います。
「ボカロのボス曲の制作経験」がそれなりにあった
あとは、「ボカロのボス曲の制作経験」がそれなりにあったのもいい方向に働いたと思います。
ここでの「ボカロのボス曲」とは、「音ゲーとして難しい」というよりは、
「コンピレーションアルバムに参加・企画するにあたり、コンピの顔になるような曲」を意味します。
自分でコンピを企画することが多いなか、そういうことを考える機会が度々ありました。
具体的には2011年、初代『kagamination』における「kagamination HEART」、
2016年『awakeness in the dream』(主催:moomlinさん)に提供した「CV02依存症」、
2017年『gLoR10us』の「us」、
そして昨年の『kagamination2』での「kagamination HISTORY」などです。
調声の技術も、ボカロ合唱は『kagamination HISTORY』や、
リンが4人で歌う「4-Rin’ Melts」で培ったものですし
レンのラップは過去「Battle the Channel」などでやったもの。
歌詞のメッセージも、過去の自分の曲で好評を頂いたものをすべてかき集めたのがこの曲です。
「あなたに近づけた日」などのあこがれの人への想い、
「us」で描いたようなあらゆる感情を語り尽くす、など。
文字通り、私の人生がすべて詰まった一曲なのです。
プロセカのボス曲を作るにあたって
音ゲーにおいて高難易度をつとめる曲は、基本的には歌モノではなくインストが多いです。
ボーカルの歌を前面に押し出しつつも、ゲームとして叩ける音数が多い曲作りは難しいからです。
一方プロセカでは、基本的には「収録曲はすべてボカロ曲=歌モノ」です(一部例外あり)。
そのため、「初音ミクの消失」のように高速歌唱を叩かせたり
「六兆年と一夜物語」のようにボーカルとオケを総合的に叩かせることで難易度を上げています。
そこで、「歌モノによるボス曲のさらなる可能性」を考えた結果、
「複数人で違うフレーズを分担すればより難しくできる」と考えました。
6人歌唱にしたのはそういった理由もあります。
その結果生まれたのが、
ミクが16分で高速歌唱しながらレンが3連符(12分)でラップするパートです。
(ちなみに後ろのバスドラには一部5連符が紛れ込んでいます)
インストで同じような16分と3連符が主旋律に同居する曲を作ると、
お互いをダメにし合う可能性もあって難しいところもあると思うのですが、
高速歌唱とラップを組み合わせれば、ある程度違和感を抑えつつ同居ができることに気付きました。
これは歌モノだから、プロセカに向けて作ったから浮かんだアイデアだったと思います。
「人生」で伝えたいこと
そもそも私は、音ゲーのような曲を作りたかったのが曲作りを始めるきっかけでした。
自分の言いたいことを言うというより、面白そうな曲を作りたかったのです。
なので作るたびに曲調はわりとバラバラです。
それはボカロPを始めてからも同じで、「ボカロの可能性の追求」、
私が好きなボカロをもっと多くの人に広めたい、もっとボカロでできることはあるんだという
自由や柔軟性を求めて、ここまで活動を続けていたところがあります。
そして、「バラバラな曲調が集まりボカロの可能性を表現した」ある種の到達地点が
この「人生」です。
この曲のソロパートの順番は、子供(リン)から思春期(レン・ミク)、
そして社会人(ルカ)、さらに親(MEIKO)になり、人生とは何かを悟っていく(KAITO)という
人間の成長の歩みを示しています。
なので、各ボカロのキャラクターソング的な要素もあるのですが、
それよりも人間讃歌の要素がより色濃い作品となりますね。
プロセカではバーチャル・シンガーがどちらかというと背中を押すサポート役で、
現実世界で活躍するのは人間であるというところにも流れは共通しています。
この曲が、トッププレイヤーにとってさらに手を動かすためのモチベーションとなり、
普通の方にとっても、人生を前向きに生きていくための励みになる曲になれば幸いです。
「長く挑戦を続けていれば、必ずどこかのタイミングで報われることはある」と。
今後の活動について
おそらくこの記事をご覧頂いている方には、
初めて私を知った方もいらっしゃるかと思います。
私アンメルツPは、2008年からボカロシーンの端で
一般的なボカロPと色々ちょっと違うことをやり続けてきた人です。
ご興味を持った方はプロフィールも合わせてご覧ください。
もしかしたら今回をきっかけに私にご興味を持ってくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、
基本的に私の活動は今までのままというか、
今までを踏襲してさらに幅広い活動ができたらいいのかなと思っています。
楽曲制作の依頼などは引き受けられるものもあるかもしれませんが、
多くのメジャーで活躍しているボカロPと違って、いまはフルタイムで音楽やっているわけではなく、
将来的にも「毎日8時間曲を作ります」みたいな方向の活動はしないと思います。
そもそも今年に入ってから完全オリジナル曲はこの「人生」と、
11月開催の同人イベント「鏡音ちゃお!」合わせの、アドバイザーを務めるコンピ曲の
合計2曲しかまだ作っていませんので、制作ペースはお察しください。
また曲を作る以外にもボカロPとしてできることがあると思っており、
自分なりのやりかたで創作のおもしろさや可能性を伝えられればいいなと日々考えています。
お問い合わせのフォーム等にも「これやりたい」みたいなのを書いてありますが、
企業や学校への講演・講師とか、
クリエイター向けの商品を作るんだけど意見欲しいとか、
そういった依頼も受け付けております。
いずれにせよ、なにより自分がおもしろい、好きだと思えるモノや人のために自分の時間を使えるか、という基準をこれからも優先していきます。
曲以外の企画も、今後も色々していくつもりです。
実績を解除できた
私は意図的に中心から少し外した活動をしてきましたし、
(プロセカに限らずボカロ曲全般の)コンテストも
「特定の作品を選ぶよりは『みんなで作るボカロ』なのだからみんなに注目してほしい」という
考えのもと、参加するものをかなり絞ってきました。
ですがその一方、音楽での実績が何より欲しかったのも事実です。
ほとんどの方が趣味としてやっていたボカロ黎明期の15年前とは、現実の状況は大きく違います。
そうした状況の中でも私が目指す「ボカロの可能性」を表現していくためには、
新しい技術や若い人の考えを勉強して、最新情勢・現実についていかなければなりません。
そういう意味では今回、楽曲そのもので結果を出すことができたのは本当に嬉しいですし、
励みになりました。
「楽曲コンテストに参加する際に心がけること」みたいな記事や
ボカロ初心者向けの本も、これでもっと前より説得力をもって書けそうです。
そういう意味で今回運良く採用されたことを、
自分の活動をもっと思うような方向に進めるような一歩として位置付けられればいいなと思います。
マジカルミライ10th東京で「人生」新譜とグッズを出します
実は、直近のマジカルミライ10th東京のクリエイターズマーケットにサークル参加します。
金曜にはいなくて、9/3土曜、9/4日曜の二日間となります。
スペースは「F-2」
サークル名「G.C.M Records+kagamination制作チーム」です。
参加自体は前から決まっていて、8月の大阪にも出ていたのですが、
こういう発表タイミングになりましたため、急遽新譜と新作グッズを作りました。
(厳密にはこれを書いている時点でまだ音源の一部が完成していません)
『「人生」7バージョン収録ダウンロードカード+クリアファイルセット』です。
01 人生
02 人生 -Rin ver.-
03 人生 -Len ver.-
04 人生 -Miku ver.-
05 人生 -Luka ver.-
06 人生 -MEIKO ver.-
07 人生 -KAITO ver.-
「人生」の各ボカロ歌唱版(いわゆるアナザーボーカル)を含む7曲を収録した
台紙つきのダウンロードカードと、
黎さんのサムネイルイラストが印刷されたクリアファイルとなります。
価格についてはセットで1,000円となります。
将来的には単品でも取り扱うかもしれませんが、しばらくはセット頒布とさせてください。
音源については、同じものを9月中にはストリーミング配信するつもりなので
物理的なカードが欲しいという方はぜひチェックしてみてください。
また、マジミラ東京で売り切れても少し増刷して通販をやるつもりです。
また、昨年発行の大規模鏡音企画『kagamination2』シリーズも持っていきます。
プロセカへの楽曲提供者や、先日8/23に発売になった鏡音公式アンソロジー採用者の方も
多く参加している作品ですので、こちらも今回初めて知った方はぜひチェックしてほしいです。
鏡音リン・レンのさまざまな可能性が楽しめる作品になっています。
スペースにいらっしゃる際は、「人生」の感想などを教えていただけると
とても励みになると思います!
おわりに
ゲーム内への実装はまだ先のことになりそうですが、
現在レベル32までしかクリアできない私もちゃんとクリアできるように
実装されるまでに音ゲー力を高めていきたいと思います。
そして私の作品が気になった方は、新作はマイペースなので期待しないでほしいのですが
15年にわたって積み上げてきた膨大な過去作品がありますので、ぜひお楽しみください!
「アンメルツP / Ann-MeltsP《ボカロの可能性ch》」YouTubeはこちら
著者「アンメルツP」について
アンメルツP(gcmstyle / 安溶二)
ボカロP。鏡音リン・レンなどのVOCALOID(広義)を歌わせたオリジナル曲・カバー曲を2008年から作り続けています。代表作にゲーム『プロジェクトセカイ』収録の高難易度曲「人生」、著書に『ボカロビギナーズ!ボカロでDTM入門 第二版』(インプレス)など。
音楽ジャンルに関係なく、キャラクター性を活かしたボカロ曲を制作しています。
楽曲ストリーミング配信、カラオケ配信(JOYSOUND/DAM)多数。